NECは中途半端な構造改革では生き残れない。
NEC遠藤信博社長は26日、国内外で1万人(グループ外への業務委託人分含む)の人員削減を実施するため、2012年3月期に事業構造改革費用400億円を計上すると発表した。内容は、グループ従業員11万人の約4%に相当する人員5千人を削減(国内従業員が2千人、海外従業員が3千人)そして、外部に委託している5千人分の業務を打ち切り、内製化する。
NECの構造改革費用は400億円というから、国内の2000人で割り返すと最大で平均2000万/一人の退職加算金だ。そして、外注費用(外部に委託)の5千人分を内製化するという。つまり、一万人くらい削減しないと売上高3兆円レベルで営業利益が適正に出ないという。人件費と割り切って計算すれば、外注費(外部に委託)込みのため一人当たり700万円×一万人とすると700億円の利益改善になる。売り上げが落ちなければ、人件費分は確実に改善するだろう。NECの凋落は、PC98で儲けた関本元会長がWindows対応で誤ったのが原因だ。ハード指向に走り、心臓部のソフトサービスを外部協力会社に任せた事だ。富士通が地道にSE会社を増やしソフトサービスを拡充して行ったのと対照的だ。NECオフコン顧客もパッケージソフトのIAサーバに置き換えたため、重要顧客をほとんど失ってしまった。クラウドに注力するにしても移行元のシステム顧客を持たないサービス会社は容易ではない。NECと富士通を比較すると、NECは管理職が多すぎる。富士通は10人に一人程度(10%)だが、NECはグループ全体で40%程度いるという。まずは、子会社への出向者も含め50歳以上の本社採用の非組合員(管理職)を全員早期退職させるくらいの思い切ったリストラが必要だろう。私の知り合いのNEC社員でも「なんでこの肩書きを持っているのか?」と思う奴が多い。つまり、馴れ合いの甘い企業文化を変えないと将来はないだろう。儲かっている富士フィルムなど、富士ゼロックスの完全子会社後に管理職を40%→20%に減らし福利厚生など無くしてしまった。NECは中途半端な構造改革では生き残れない状態だ。
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