最も仲が悪かった将棋棋士の対局
コンピュータが発達していない昔は、ゲームといえば囲碁・将棋くらいしかなかった。正月に花札・トランプ・百人一首などもやった。入社後、若いころは昼休みに将棋をやった記憶もある。しかし、情報産業の技術革新が激しくなると将棋など指す余裕もなくコンピュータ関連の雑誌を読み漁っていた。昨日(2012年2日)、新春古豪対決という特番があり第一局が関西の内藤國男対有吉道夫戦で、結果は後手有吉九段の勝ち。第二局は、関東の米長邦夫対加藤一二三戦で、結果は後手加藤九段の勝ちだった。私が将棋で遊んでいたころは、皆さん順位戦A級だった。当時、目立ちたがり屋で生意気な米長氏は強かったのであからさまな批判はなかったが、弱いくせに谷川永世名人(当時の名人タイトルホルダー)を批判した田中寅彦は、将棋世界(雑誌)で叩かれていた。将棋は勝負ごとだから勝った方が強いし、負けた方が弱い。華道や書道の肩書きとは違い、その時々の実力だ。70歳を越えても加藤一二三(72歳)・内藤國男(72歳)さんは現役の棋士だ。有吉道夫(76歳)さんも昨年まで現役だった。70歳を超えて若手に踏まれながらも勝負ごとで現役棋士を続けるとは、よほど将棋が好きなのだろう。いづれの棋士も負けず嫌いでなければ現在はなかっただろう。東西で最も仲が悪かった棋士対決という企画(NHK史上最高?)のため対局者の勝負にかける意気込みは盤面以外にも表われていた。対局前の談話から火花が散り始め、喧嘩の前に早く対局に入って頂きたいと願ったくらいだ。結果は、有吉道夫(76歳)、加藤一二三(72歳)氏のすさまじい執念というか迫力で決まった。正月特番の全国放送は、時間を持て余している人まで観戦するだろうから勝った方は10勝に値する気分だが、負けた方は、正月から踏んだり蹴ったりの気分だろう。負けた米長は勝った加藤に「お年玉だ」と悔し紛れの口撃までしていた。感想戦で勝った方の有吉・加藤さんが盤上で検討をしている様は、とても70超えの年寄りとは思えなかった。ところで、「口は災いの元」というが米長邦夫さんの敗戦は棋士仲間では喝采している方も多かったのではないか?と下衆の勘繰りをした。この歳になって、また将棋遊びを始めたが対局相手は「待った」をしてくれて、負けても怒らないコンピュータ君に限る。将棋連盟は、私のように実力不相応な者にも■段認定書を発給してくれる。アマチアの免状などは、華道と同様だろうから日本将棋連盟への感謝記念としてお金を払い将棋免状を頂いた。
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