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2012年7月15日 (日)

黄昏期のいま

近年、ネットワーク社会に染まってしまった。過去を振り返れば、始まりは1970年代、IBMのSNA(System Network Architecture)だろう。当時、通信速度も遅く、メモリーも、ほんのわずかしかない環境だった。1980年代はホスト・セントリックであったものが、1990年からオープン・ネットワーキングに移りPC-LANによるダウンサイジングでルータ・ネットワーキングに移行した。一般の業種に比較して技術革新が早いため、最新と思われた技術がすぐに陳腐化した。当時、この世界に身をおいていたため、呆然とした時期だった。インターネットのTCP/IPネットワークと従来手順のネットワークが混在し、大型コンピュータ・ファイル・プリンタ・PC端末など全てLANに繋がったが通信層以外はバラバラだった。両ネットワーク・システムを整合させないと技術者としてのサラリーマン人生は終わりだと思った。メインフレーム系のSNA(富士通はFNA、日立HNA)出身だったため、全ての従来手順をTCP/IP上へ移行した。そして、過去のアプリケーションの整合性を満たす印刷システムに取り組んだことを覚えている。あのころは、無我夢中で、家族のことなど考える余裕もなかった。ネットワークで全てが繋がるということは、従来の縦割りの事業部間の領域が曖昧になった。つまり、事業部間の競争で負けた部門は社内失業を意味した。PC、UNIX、オフコン、メインフレームと全てのコンピュータの動向にいち早く対応する必要があった。あの頃は、専門雑誌を読み漁って最新動向を把握することが楽しかった。今から思うと、大変だったが最も充実した誇らしい日々だった。黄昏期のいま、変革の中に技術者として従事し、日の当たる人生を歩めたことに感謝している。

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