LANで思うこと
今日、TCP/IPは標準的なプロトコルとなっている。昔は、NetwareのIPXやAppleTalkなどのプロトコルが混在していた。これはTCP/IPが他のプロトコルに比べて優れているからというよりも、TCP/IPがインターネットを土台に、標準プロトコルの位置を占めたことが理由だろう。WindowsNT3.5だったろうか?マイクロソフトがWindows/OSでそれまでのLAN-MANから、TCP/IPの利用を標準にしたことが大きい。90年代の初頭から始まった日本でのPC-LANの導入も、95年のNetWare4.1J、Windows NT3.5といった全社対応が可能なOSが登場して、それまでは、部門LANとして導入されてきたものが、全社システムへと統合された。当時のLANは、TCP/IPを用いたルータベースのネットワークだった。そして、90年代の初頭にワークステーション・ベンダーを中心にして「ダウンサイジング」が提唱されたが、大方の企業の基幹系(業務系)は、依然メインフレームに残っていた。そのため、SNA (Systems Network Architecture) とTCP/IPをどのようにして結合するかが、課題であった。ユーザが使用するクライアントPCは、TCP/IPのLAN上にあり、業務上使用しなければならないアプリケーションは、メインフレーム上にあるという状況であった。ここで、TCP/IPはルーティング可能であるのに対して、IBMのメインフレーム環境で使用されているSNAは、ルーティングできないという技術的な問題があった。そのため、富士通(FNA)や日立(HNA)も、 LAN上のクライアントPCに端末エミュレータを搭載することで、メインフレームを利用した。
当時は、オープンシステム化の流れに伴い、オープンシステム同士の分散印刷は可能となったが、メインフレームを含めた印刷環境の分散化は困難な状況にあっ
た。このため、メインフレームで築き上げた膨大な帳票データを各システムで共用できず、資源の二重管理を行っていた企業も多かった。富士通は、この問題をTCP/IP上で従来コマンドをカプセリングして標準(TCP/IP)ルータでシステム構築できるようにした。そして、マルチプラットフォーム環境において、あたかも物理的に複数台のプリンタ装置が存在しているかのよう定義可能にした。これにより、メンフレームで作成した帳票からパソコンで作成したワープロ文書まで、既存の文字やオーバレイなどのユーザ資源を変換することなくマルチプリントが可能となった。現実に1台のプリンタ装置でメインフレームを含めたマルチプラットフォームと連携できれば、ネットワークの分散処理システムの構築が安価で容易となった。バーチャルシステムプリンタ(Virtual System Printer:VSP)という名称で初代VSPがプリンタ市場に登場したのが、1995年である。
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