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2012年9月21日 (金)

紙幣の兌換物としては

米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)が景気対策のため、無制限に紙幣を刷ることを決めたのに続き、日本銀行も19日、資産買い入れ基金の規模を70兆円から80兆円に増額し、資金供給を増やすことを決めた。FRBは今月13日、雇用市場が十分に回復するまで、毎月400億ドル(約3兆1000億円)規模の住宅ローン担保証券(MBS)買い入れを決め、ECBも今月6日、財政危機に陥った南欧の国々の国債を無制限で買い入れることを決めた。
財政赤字が拡大した中で歳出をこれ以上増やすことはできず、金利もこれ以上引き下げられない。景気対策のために大規模な資金供給に乗り出すことしか選択肢がないからだろう。中央銀行の資金供給を行っても企業に資金が供給され、それが消費と投資に充てられなければ景気は回復しない。今回も、効果はさほど期待できないだろう。問題は、大量供給されたドル、ユーロ、円が国際金融市場で投機資金になってしまうことだ。たとえば、一万円を印刷する費用は、20円だそうだ。100ドル札のコストは数¢といわれている。管理通貨制度下の通貨は、普遍的な財貨である金銀との交換価値が失われた不兌換紙幣である。つまり、政府による濫発や政府の信用がなくなれば、ハイパーインフレで紙くず同然になってしまう。日本は、このような環境下で少子高齢化社会である。ハイパーインフレなど起きれば、老後の年金生活などひとたまりもなく崩壊してしまう。ソ連崩壊時に、ハイパーインフレが起きロシアの年金生活の老人たちが苦しんでいる様が報道されたことは記憶に新しい。今の日本の老人たちが、裕福な年金生活を過ごせるのは異常なデフレが長期間続いているからだ。今回の大量の通貨供給で、行き場のないお金がどんなバブルをつくり出すだろうか?インフレ対策として、人口の減少が激しい日本では、実需はないだろうから土地投資という選択肢はない。株式投資は、インフレ対策に適しているが、日本の株価は長期低落である。過去の相関関係は、日本の景気がよくなると円安になり、悪くなると円高になる傾向がある。東証の出来高に占める外人投資家の割合が64%にもなっている。外人は、円安になれば輸出関連企業の業績が上がることと、ドルベースで割安になるため日本株を買う。しかし、今後、日本の景気回復は、時間がかかるとすれば、円安より円高になるだろうから日本株の株価上昇はないだろう。そして、今後も、日本株は低落傾向だと予想すれば、投資対象としてはリスクが大きい。残された方法の一つは、紙の通貨で、現物の裏付けのある金地金や金ETFを購入することだ。現実に、紙幣が増えるに従い金価格は上昇してプラチナと逆転してしまった。これからも、価格差は開く一方だろう。米ドルは暴落すると主張し続けているジム・ロジャースは、親しい人への贈り物を金製品にしているという。直接投資が味気ないなら、インド人のように、金地金に近い装飾品を紙幣の兌換物として購入することが最適なような気がする。

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