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2012年10月21日 (日)

土地投資は、すべきではない。

土地神話は崩壊してから久しい。三十歳代後半の不動産仲介業者と話すと、入社してから一度も土地が上がった記憶がないという。買えば確実に下がるものだから、よほど必要でない限り、土地など買う気がしないという。確かに、都心の再開発や新駅ができたとか、よほど環境が激変しなければ上がることはないのだろう。逆に、東日本大震災で土地の液状化した浦安市など取引そのものがなくなってしまった。2009年度の日本企業の経常利益は、1992年から23%増加している。しかし、その同期間の賃金は、2%しか上昇していない。20年近く賃金が据え置かれ購買力が低下した状況では、物価が上がるはずはない。ずいぶん昔の話だが、業界セミナーの交流会で雑談していた時に、1990年ころに海外赴任していたが、地価が高騰したため、家屋も見ずに埼玉県に一億円の家を購入したという話を聞いた。1986年12月から1991年2月までの間に、バブル景気で地価の上昇が起きた。実際に、東京・大阪圏で1972年の土地の値段を「100」としたときの地価は、バブル終焉の1991年に「800~900」、つまり1972年比8~9倍になり、その後、下落を続け、2009年では「300」くらいまで下がった。つまり1972年比3倍の地価となっている。これは、1973年にOPECが原油公示価格を1バレル3.01ドルから5.12ドルへ70%引き上げた「オイルショックでのインフレ上昇」後の1983年当時の地価と同じだ。そして、現在も地価は、リーマンショック後、2009年地価公示から4 年連続で下げ続けている。地域によっては、1970年代後半に近い価格になっている場所もあるだろう。統計的には、資産バブルの崩壊で、1990年に地価の時価総額2400兆円あったものが、現在は1000兆円を割ろうとしている。地価の高騰を受けて、1987年から1993年あたりまでに、多くの人が住宅の買い替えや新規取得、さらに不動産投資などをした。この20年間、賃金が2%しか上がらない状況で、地価だけで1400兆円の資産損失が起きた。当時の勤労者取得世代は、現在50歳から70歳代になっているが、これまで住宅ローンという大きな負債を背負ってきた。この20年間に賃金の上昇が2%しか起きていないことに含め、この負債による購買力の低下がデフレ長期化の原因だろう。今後、非正規従業員の増加や高齢化社会の到来で、いっそう購買力が低下する反面、人口減少で土地の実需が確実に減少する。不要な土地は早期に売却して、自宅住居の購入以外に、土地というものに投資すべきではない。実物資産を持たないと不安であれば「金」に投資すべきだろう。

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