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2012年10月26日 (金)

シャープの経営者責任が強く問われる。

シャープは、8月に業績予想を下方修正してからわずか3カ月で抜本的な再建計画の練り直しとは前回は、いったい「なんだった」のかと言いたい。シャープ、通期最終赤字は4500億円と8月予想より2000億円拡大するという。太陽電池事業の収益性の低下と生産設備の減損処理、液晶パネルなどの在庫の評価損の計上が原因という。シャープという会社は、もともと家電メーカーだ。家電のデジタル化に伴い、アナログ回路が不要になったことにより付加価値としての差別化する部分が減り、半導体と同様の世界になってしまった。半導体というとムーアの法則「Moore’s law」を思い出す。1965年に経験則として提唱した「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則だ。つまり、この法則によると半導体「性能向上」は、指数関数的に向上する。実際、つい最近まで成立していた。業界の遍歴を調べれば、半導体メモリから米国メーカーが撤退し、次に日本メーカーも赤字で撤退寸前、今は韓国サムスン電子、韓国ハイニックスなどが市場を占有している。付加価値がなく、設備規模だけが問われる価格競争の世界だ。韓国政府は、為替操作で市場に介入しウォン安を作りだし日本メーカーを駆逐し自国メーカーを援助した。家電メーカーの経営者が、半導体事業の経験があれば、これほどの損失を出さずに済んだ。過去、半導体メーカーというと日立・東芝・富士通・NEC・三菱電機・沖とあった。この中で家電を扱っている「日立・東芝」と「パナソニック・ソニー・シャープ」の決算を比較すれば明らかだ。半導体事業を扱ってきた日立・東芝は、この危機を上手く乗り切っている。損益悪化の一つに、太陽電池事業の収益性の低下が原因というが、液晶パネルと同様で規模だけの競争で利益がでると思うほうがおかしい。住宅メーカーの口車に乗せられて、非効率な太陽光パネルを設置している家屋を見ると気の毒になる。住居人が、ムーアの法則を知っているとは思えない。屋根にパソコンを張っていると思えば解かりやすい。パソコンの減価償却期間四年間で設置費用が回収できるはずはない。次に、液晶パネルなどの在庫の評価損の計上というが、稼働率を維持するために売れる見込みのないものを造り続けた結果である。30年以上前にF社の営業とOEM商談で、奈良の大仏近くにあるシャープに訪問したころは活気に溢れていた。今は、見る影もなく会社更生法寸前の会社になってしまった。経営者の思い込みだけで、一兆円以上の設備投資という大博打を打ったつけである。経営者責任が強く問われる。

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