デジタル化がアナログ機器を終焉に導いた。
メインフレーム コンピュータIBM System/360は、市場を席捲した名機だった。周辺機器は「チャネル」経由でシステムと接続する。そのバイトマルチプレクサチャネル経由でパンチカードリーダ/パンチ、ラインプリンター、通信コントローラ(IOC)などが接続された。IBM互換路線を踏襲した富士通や日立は、なんとか日本のメインフレームメーカとして生き残った。アプリケーション中心の考え方を取れば、当然互換路線しか生き残れないのは自明だった。今から考えれば、当たり前のことでもハード指向の状況では、この二社に先見性があったといえる。当時、メインフレームの周辺機事業部にいたが、IBM機器の価格が高かったので互換機メーカーであっても合理化という意識は少なかった。IBMの回路図を読みふけって効率的に設計されているのに感心していた。そして、富士通・日立がFHインターフェイスと呼んでいたものは、IBMのチャネルインターフェイスのデッドコピーに近いものだった。チャネルインターフェイスでシステム接続される周辺装置は、高価で販売できたため売り上げも大きかった。一方、OCR「Optical Character Reader 照合により文字を特定し、文字データを入力する」のような装置は、開発が大変なわりに売り上げが伴わず、いつも赤字だった。チャネル接続(システム接続)すれば、高く売れるため装置の機構が価格競争力があるかなど問われることはなかった。しかし、IBMのコンピュータネットワーク・アーキテクチャ(Systems Network Architecture= SNA)などが普及して分散化が進んでくると価格も徐々に安くなり機構部品の価格競争力が問われるようになってきた。実際に、OEM製品とシステム製品の価格差は、10倍近くも開く装置もあった。特にミニコンピュータ接続になると、DPCインターフェイス、セントロインターフェイス、RSC232Cなど多様な低価格な接続形態がでてきた。大型(メインフレーム)からミニコン、そしてパソコンと半導体の進歩によりコンピューターの主力がダウンサイジングするに従い機器のコスト競争が熾烈に始まった。性能が、毎年、飛躍的に向上するのに価格が大きく下がり続けた。半導体の高集積化が、そのまま、コンピュータの価格性能比を大きく向上させた。ハード販売では利益がでないメーカー各社は、倒産したり、買収されたり、撤退したり、システム指向に舵を切ったりして存続してきた。半導体の高集積化が、デジタル製品の価格崩落に手を貸し多くの企業が淘汰されていった。デジタル化の急激な進展により、アナログ的な機構をエミュレーションしてアナログ機器を終焉に導いた。例えば、一眼レフのフィルムカメラが、CCDとメモリのデジタルカメラに変わってしまった。この結果、DPE(Development-Printing-Enlargement 現像・焼き付け・引き伸ばし)店の商売も成り立たなくなった。そして、アナログテレビが液晶テレビに席捲され、ソニー・シャープ・パナソニックという家電各社が大赤字を出して存続の危機に瀕している。
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