故人のゴーストが写真に現れた
先日、知人の墓参りに行ってきた。無病息災だった友人が最初に逝ってしまうとは、人の寿命など当てにならないものだと思った。学友だった夫人と故人についての談笑は楽しかった。約40年近く前の痴話も、つい昨日のような雰囲気で話し込んでしまった。大学卒業後の話を夫人から聞かされると、「いろいろあったのだなぁ」、と改めて故人を思い浮かべた。夫を亡くしたことで大変だろうと気遣っていたが、元気そうなのがなによりだった。ところで、撮った写真の中に、夫人の顔近くに黒い影があることが気になった。オート・フォーカス、手振れ補正がある一眼レフ・カメラなので誰が撮っても、上手く写るはずだ。この影は、どうも故人の霊が被っているような気もする。超常現象など信じない友人が、ペットの遺灰など絶対に自宅の庭に埋めるものでないと言っていた。しかし、その根拠を問うたところ、霊媒師が言ったとのことだったので大笑いした。大切な子を失ったり、最愛の妻や夫を亡くした人などが、死者とコミュニケーションをとろうとして交霊会を行なったりするという。寿司を食って、酒を飲んで、夫人と昔の恋愛話など茶化して話し込んだので、故人のゴーストが怒って写真に現れたのかもしれない。
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