利食い金には休養を。
1980年代後半のバブル期には、土地やマンション、株価が上昇し、含み資産の膨張で裕福な気分に浸っていた。東京23区の地価が、アメリカ全土と等価だという話まであった。ところで、最近の見出しは「円は大暴落寸前」とか「株に背を向け、儲け損ねる日本人」などという文言で、数ヶ月前までの円高、株安の悲鳴が嘘のようだ。どちらに振れてもセンセーショナルな広告表現だ。アベノミックスは、2%の物価上昇を目標と謳っている。まだ、新しい日銀総裁がなんら施策もしないうちから、市場は先走って不動産ファンドや日本の株価指数が40%以上も上昇してしまった。どう考えても、尋常な上昇とは思えない。昔の資産バブルの再来かと思えてしかたがない。インフレ到来と言われれば、なんらか実物資産に置き換えてヘッジしなければいけない。とっさに考えられたことが、株や不動産への投資なのだろう。しかし、少子高齢化の日本社会を考慮すれば、一部の不動産を除けば実需が強いとは思えない。シェール・ガス革命の米国と違い「日本経済再生・産業競争力強化」などと言っても容易ではない。言葉だけで、舞い上がった日本の株価がいつまで浮いているのか心配だ。「天井売らず底買わず。」という格言を思い出し全て売却してしまった。そうは言っても、「株に背を向け、儲け損ねる日本人」などと見出しが躍ると、株を持っていなければ損をするような気がしてたまらない。
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