海外への資本逃避も
豊島逸夫のコラムでジョージ・ソロス氏が黒田日銀に警鐘「海外への資本逃避も」という記事かあった。著名投資家ソロス氏が、CNBCのインタビューで「黒田日銀が引き起こした円安は雪崩となり、止められなくなるかもしれない。危険な政策だ。日本人の海外への資本逃避が始まる可能性がある」「米国と同規模の量的緩和を、米国の3分の1の国内総生産(GDP)の日本が実行すれば、その影響力は3倍に達する」2年間で倍の270兆円までマネタリーベースを激増させれば、まさに「資本の海外流出」で過剰流動性を世界にまき散らすリスクもあると述べている。
この「資本の海外流出」という記事を読んで、ふと思うことがある。円安になるのが、解かっているならポートフォリオで、いくらか他国の通貨で持つしかない。いわゆる外貨預金だ。外貨を買えば、円売り外貨買いが起きる。そして、さらに円安が進むことになる。ソロス氏が率いるファンドが円安に賭けて1000億円の含み益をだしたという。アジア通貨危機を起したソロス氏が日銀心配をしていっているとは思えない。円売りを仕掛けているのなら円の暴落は有利になるためポジション・トークとも思えない。少し、頭を整理してみよう。不動産株や輸出関連株が上がっているのは、円安やバブルを先取りした動きだろう。270兆円もお金がばら撒かれ、長期国債を日銀が買い上げるなら金利は上がらない。量的緩和で市場に溢れた大量の過剰流動性資金が、向うさきは海外や国内の実物資産だろう。選択肢として、国内の実物資産を買った場合を考えれば、いずれデフレ解消時にはマネータリーベースが萎むことになる。その結果、不動産や不動産株が暴落する。輸出産業は、株価に見合った体力がついていれば暴落しないだろうが、円高になれば、やはり下がるだろう。米国のQE3が終に近づけば、株や金が売られる。最近、金が売られているのは、ヨーロッパの財政危機が落ち着き、リスク・オンになり株にシフトしているからだという。素人の小生にもここまでは、何とか理解が可能だ。しかし、それではどうするかというと悩んでしまう。「 疑わしきは何もするな。」「 迷わば休むべし、相場は常にあり、決すれば進むべし機は瞬間に去る。」という相場の格言がある。慎重さと中途半端な投資を戒めるという意味だろう。実物資産の金に投資しても、QE3が終われば売られるので円安のヘッジにはなりにくい。少子高齢化の日本の不動産や株に投資しても、ハイパーインフレ対策には効果があるが、その時は将来貰う年金では暮せない。ソロス氏の「黒田日銀が引き起こした円安は雪崩となり、止められなくなるかもしれない。危険な政策だ。日本人の海外への資本逃避が始まる可能性がある」という警鐘に真実味が帯びる。株も上がりすぎたし、金も暴落と表裏一体だ。海外の投資信託など、なにもしない証券会社にお金をくれてやるようなもので買う気がしない。残った選択肢は、安くなる円を売って一部を「外貨預金」に移すしかないだろう。そうはいっても、世界財政不安で円高になる可能性も否定できない。海外通貨の選択肢としては、日本の取引時間と同じ豪ドルが適当だが、既にリーマンショクの前まで買われてしまっている。悩ましいかぎりだ。そういえば、アナリストの豊島氏は米ドル買いを一貫して行っているという。学者の浜矩子女史(円高論者)とは対立する主張だ。今朝の日経新聞のソロス・チャートからはじいたドル・円は一年先が1ドル95円で、2014年末は105~110円だそうだ。少し、市場が先走り過ぎているならより戻しもありそうだ。
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