賢い選択だと思う。
富士通が発表した2013年3月期の連結決算は、最終損益が729億円の赤字に転落した。1505億円を特別損失として計上したことが響いたらしい。しかし、1505億円-729億円という数字をみれば、営業利益が多くても1000億円弱程度しかない。あまりにも、利益率が低すぎる。半導体の赤字がよほど多かったのだろうか?マイコン事業を米半導体メーカーに売却することで(売却額は計173億円)で、半導体事業の採算が改善され2013年度の営業利益1400億円へと大幅な増益を予想する。しかし、富士通の売り上げに占めるパソコンや携帯電話の売り上げ比率が大きすぎる。他社は、将来性がないとして撤退した分野だ。社長の出身母体の付加価値のないアセンブリービジネスは、これからも販売が減少する。そして、国内のIT(情報技術)サービスなどの足を引っ張っている。パソコンや携帯電話ビジネスなど付加価値はない。規模追求ビジネスなど、真面目にやっていればシャープや三洋電機に二の舞いだったろう。マイクロソフトやグーグルのようなソフトベンダーがバッドのようなハードにまで参入すればパソコンビジネスなど終わりだ。そして、外資系企業がデータセンターを日本国内に大規模に造れば、クラウドビジネスのようなIT(情報技術)サービスにまで影響するだろう。管理職や半導体子会社で募集していた早期退職優遇制度に合計で2454人が応募したそうだ。予想していた1900人を3割上回る応募だった。富士通社員は、トップの不出来を、悲観して早期退職を選択したのだろう。賢い選択だと思う。他社が好業績を出しているさなか、富士通は、通常は4月に実施する定期昇給(定昇)を、9カ月間凍結することで労働組合と合意した。そういえば、富士通に勤務していた2002年ごろも、幹部社員だけだったかも知れないが定期昇給が凍結された記憶がある。
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