当時の時空に戻って童心のように戯れる
勤め人をしていた頃は、人との交わりは避けられなかった。好き嫌いはともかく、職務上必要なら「その人」と付き合った。自由業になってからは、不愉快さを抑えてまで好きでもない人と接触をしなくなった。人との交わりが億劫で嫌いかというとそうではない。大学時代のOB会の事務局として、時空をともにした旧友との再会のために労を取ることは一向に惜しくはない。ただ、卒業後何十年も経つと過去に覚えていた「彼等の面影との違い」や「現在の彼等の価値観とのギャップ」に戸惑うこともある。職業柄、相手の考えていることを読み取る癖が付いてしまったのだろうか?メールのやりとりや短い会話の中からでも、彼等の価値観などが読み取れると、その人の生き様がみえるような気がする。そして、彼等の行動様式から職場の様子までもみえてくる。大学時代、同じような境遇からのスタートだった。長い年月の中でこうも違いを作ってしまい、埋まらない溝となったのかとしみじみ思う。しかし、再開時には、いやらしい時間を飛び越して、当時の年齢にまで戻ってしまう。価値観も生き様もバラバラな集団であっても、当時の時空に戻ってしまえば、童心のように戯れてしまう。だから、仲のいい旧友との交わりが愉しいのだろう。
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