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2013年5月 9日 (木)

越中富山の売薬さん

Images「越中売薬」とは、古くから富山県にある医薬品配置販売業の通称である。生まれがその地域だったため、近所にも親戚にも「売薬さん」といわれる人が多かった。全国の島々や秘境と呼ばれる地域まで、富山の売薬さんが行かない場所はなかった。戦前は、上海や香港まで行っていたそうだ。富山を揶揄する唄で「越中富山の『反魂丹(はんごんたん)』、鼻くそ丸めて『萬金丹(まんきんたん)』それをのむ奴ぁあんぽんたん」というのがあった。それで、富山出身だというと、売薬さんかと聞かれるのが嫌で伏せていることが多かった。小さい頃、曾祖母から売薬さんの話はよく聞かされた。富山藩主「前田の殿様」が腹痛を起こした際、「反魂丹」が効いたことから、印籠にいれて常時携帯していた。江戸城内において、腹痛を訴えた大名に「反魂丹」を服用させたところ、すぐに治まった。この薬効が評判になり、各大名から藩内での販売を頼まれたことが、越中売薬の始まりだそうだ。ところで、この唄にある「万金丹」のほうは、伊勢・朝熊山とあるから富山とは関係のない薬だ。「鼻くそ丸めて万金丹それをのむ奴ぁあんぽんたん」とは、万金丹の効能の不確さを皮肉っているのだろうか? 売薬さんの扱っている薬は、一般用医薬品で、医師による処方箋を必要とせずに購入できる。最高裁は今年1月、副作用のリスクが高い第1類と第2類のインターネットでの販売を禁じていた厚労省令を違法と認定した。自民党や日本薬剤師会などが1~2類の薬のネット販売に強く反対するのは、既得権益からだろう。厚労省は消費者の利便性と安全性というが、米国やドイツではネット販売を認めているし、日本でも古今から売薬さんが売り歩いている。インターネットにより、購入や流通形態が大きく変わろうとしている。厚生省のような公務員は、グローバルな競争の厳しさなど知らない。独占企業の成れの果て、東電幹部のような連中を生み出すことのほうが心配だ。

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