人生の最大の遺産
今朝の日経新聞に、浮川和宣さんに関連する記事が載っていた。2009年に手書き入力できるノートアプリなどを開発するメタモジを起業して、米アップルの「i-phone」や米グーグルOS「アンドロイド」のアプリを手がけているという。公開まで2週間に迫ったスマートフォン向けアプリの検証作業をしている写真があった。浮川さんというと、奥さんが(ジャストシステム社長)技術屋さんで、旦那(ジャストシステム会長)がオフコンの元営業マンだったと思う。NEC-PC98のころがジャストシステムの全盛期だった。売れ筋のアプリ「一太郎や花子」もマイクロソフトのOS Windowsが普及した途端にOfficeに敗れてしまった。Windowsが普及すると、売れ筋のアプリが全てマイクロソフト製になり、ハードプラットフォームに依存しなくなったためハードメーカーの差別化も難しくなった。その結果、NECやジャストシステムの業績が急激に悪化した。NECの関本さんもジャストシステムの浮川さんもWindowsの影響を読み間違ったことが原因だ。OSを作っているアプリベンダーから遅れた情報提供で開発しても敵うはずはない。その後、会社は赤字続きで倒産寸前までいったようだ。現在は、IBMから「ホームページ・ビルダー」のプログラム著作権と商標権を取得して販売している。そういえば、「ホームページ・ビルダー13」のロゴはIBMだが、「ホームページ・ビルダー16」は、「JUSTSYSTEMS.」となっている。会社情報には、株式会社キーエンスとの資本・業務提携をし、2009年浮川和宣・初子夫妻がそれぞれ同社の代表取締役会長及び取締役副会長を辞任したとあった。「メタモジ」とい会社は、ジャストシステムを辞任後、設立したのだろう。IT業界の栄枯盛衰は、基盤の環境が変われば非常に速いスピードで起きる。そして、新技術により劇的に起きるため過去の延長線上にない。NetWork OS(NOS)を、ノベルのNetware(IPX/SPX)に対抗してマイクロソフトがWindows NT 3.51(1995年5月30日英語版発売)にTCP/IPを標準搭載した。そういえば、当時は、F社でコンピュータ周辺機の開発課長職をしていた頃だ。ISO9001の査察官に、徳島の浮川さんは、Windowsの影響を読み間違っているから「ジャストシステム」は危ないと無駄口を叩いていたことを思い出す。TCP/IPが主流になると賭けて、ノベルのNetware(IPX/SPX)向け開発を中止した。今から振り返れば、全ての基幹系周辺機をTCP/IPでカプセリングすることで、仮想的な基幹系システムを創ることを企画・開発し成功を収めたことが、私の人生の最大の遺産のような気がする。未だに、当時の商品が一角を占めていると思うと気分がいい。
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