韓国社会の「知的ぜい弱性」
朝鮮日報に韓国の漢字教育の問題が提起されていた。ハングルという文字は、日本語で言えばカタカナと同じだ。韓国に行ったことのある人は、市街にハングル文字が溢れている看板を見て、頭が痛くなった経験があるだろう。ハングル文字を読み取ることは容易だが、表意文字でないため元の意味を知らなければ、全く理解できない。新聞記事に「旅館ってなあに」という質問があった。旅人の『旅』に客舎という意味の『館』を使うことから、旅館とは旅行中に泊まる家のことだと説明すればいいが、漢字が分からないため論理的な説明ができない。「尹昶重元大統領府報道官を更迭する」との速報が流れたとき、ネット上では「更迭」という言葉が検索語の1位に浮上したという。ハングル文字から音を読み取っても表意文字でないため「ある地位にある人を入れ替え(迭)、他の人に変える(更)」という更迭の意味を推測することはできない。漢字教育をしなければ、韓国の古典は読めないだけでなく、韓国語での意思疎通がうまくいかなくなってきているという。例えば、ハングル文字で「体罰禁止」といっても「体罰」の意味が「体に直接苦痛を与える罰」だということが推測できない。「『妊婦』が陣痛を訴えている」という際の「陣痛(チントン)」と「痛みを和らげるために鎮痛剤を打つ」という際の「鎮痛(チントン)」が同じ発音のため医者の医療行為にも支障をきたすと言う。ハングル文字を学んで思ったことは、日本文化そのものだという感触だ。なぜなら、明治維新(1866年)を前後とし、西欧の文物と思想を率先して輸入した日本の知識人らの血のにじむような努力あった。朝鮮半島で日常的に使っている漢字語のなかに、日本が作った用語が数え切れないほど多い。文化、文明、思想、法律、経済、資本、階級、分配、宗教、哲学、理性、感性、意識、主観、客観、科学、物理、化学、分子、原子、質量、固体、時間、空間、理論、文学、美術、喜劇、悲劇、社会主義、共産主義…。韓国人に耳慣れた単語である「民族」も、正してみると宮崎という日本人が1880年代にフランス語「Assemlee Nationale(フランス下院)」を「民族会議」と翻訳したところから始まったものだ。「民族」は1890年代に入って初めて韓国語に編入された。 朝鮮半島では、戦後の日本文化の影響を消すために行われた、ハングル文字化で「漢字」とは、まさに「不慣れな外国語」になってしまった。日本が創った概念語を、翻訳過程の苦悩と試行錯誤を省略した結果、韓国社会の「知的ぜい弱性」が顕著となった。これが、世界中から嫌われる原因の一つなのだろうか?
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