世界の教科書シリーズ高等学校韓国史
明石書店が出版している「世界の教科書シリーズ」という本がある。その中に、「高等学校韓国史」という歴史教科書もある。朴槿恵大統領が口を開けば、「正しい歴史認識」というが韓国で習っている歴史教科書が果たして正しいのだろうか?そういう思いをもって読み流してみた。日本の教科書で言えば、「日本史」にあたる教科だろう。400ページの教科書の中の300ページが近代史で、有史以来の古朝鮮の歴史については、89ページしか割かれていない。その内容も、三国(高句麗・新羅・百済)から日本に文化の伝播がおこなわれたという内容だ。朝鮮の歴史は、過去の史実として書く内容がないのかと思ってしまう。朝鮮最古の歴史書は、12~13世紀に編纂された【三国史記】【三国遺事】がある。【三国史記】には、唐と日本(倭)の戦い「白村江の戦い」の記述がある。『新羅本記第七』倭国の兵船が百済を救援にきた。倭船は千艘もいて、白沙に停泊し、百済の精鋭騎馬隊が船団を守っていた。『百済本記第六』さきに倭国に人質となっていた旧王子扶余豊を迎えて、彼を王とした。熊津江から白江にゆき、陸軍と合流し共同して周留城にせまった。倭軍と白江口で遭遇し四度戦ってみな勝ち、倭軍の船4百艘焼いたが、その煙や炎は天をこがし海水は丹くなった。『列伝第五』昔于老や朴提上の項目には倭国や高句麗に新羅が人質を出していたことが書いてある。『高麗の正史』にも書いてあるように、百済は大和朝廷に皇太子を人質として差し出していた。そして、百済滅亡後は、百済の王族や貴族は、殆ど全員が唐に連行されるか、日本に亡命して貴族の末席に列せられたり地方官吏に任命されたりしている。技術者も主だったものは彼らと共に日本に亡命した。朝鮮から日本への文化の伝播は結構だが、正しく自国の歴史書から教えることも重要だ。【三国遺事】の『巻一紀異第一』には、第十七代、那密王即位三十六年(西暦390年)に、倭王の使者が来朝して「わが王が大王の神聖であられることを聞いて、臣に、百済の罪を大王にあげるようにといわれました。願わくば大王の王子お一人をつかわせて、わが君に誠意を御示しくださいませんか」といった。そこで王は三男の美海を送った。美海の年は十歳で、言葉や動作も未熟であったので、内臣の朴娑覧を副使として付き添わせた。倭王は彼らを抑留し三十年も帰さなかった。・・・・・愛する息子を倭に送り、逢えないままに世を去られた。
このように、日本と朝鮮とに関わる記述内容は、たくさんある。朝鮮の文献【三国史記】が「日本書紀」なら【三国遺事】は「古事記」に当たる歴史書だ。ただし、日本書紀が8世紀に対し三国史記は12世紀、三国遺事は13世紀に編纂されたものである。
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