社会で不要になった輩の行き場所は、
F社に勤務していたころ特許関連のお祝いがあった。同業他社から、多額の特許料を取ったことで、会社から報償金が出た。貰った特許部は、全て自分たちの懐に入れることに気が引けたのか、その金の一部でパーティーを催した。特許取得元の事業部関係者だった愚生は、仕事がらみでその呑み会に出席した。ずいぶん前に取得した特許だったため、退職した昔の上司も多数招待されていた。酒を飲むのは好きだが、昔の上司などと飲んでも気を使うだけで、愚生にはなんのメリットもない。出席した元上司は、僕は356連休だといっていた。退職後、行くところもないのでパーティーに出てきて愉しそうに歓談していた。彼は、サラリーマンの悲哀を地で行くような会社人間で真面目な人だったが、全てに細かすぎて嫌いだった。そういう愚生も、けっして元部下の人たちには好かれていなかったようだ。上司三日、部下三年という喩えがあるように、管理職を長くしていても、部下の真意ははかり知れない。退職後、元上司にメールなど書くと嬉しいのだろう、長々とした返答が帰ってくる。そう思うと、愚生が暇だからといって元部下のひとに気安くメ-ルも送れない。安心して行けるのは、会社関係の知り合いの葬儀だけだ。焼香後に、お清め所で、死者の追悼はそっちのけで酒を酌み交わすことが楽しみのひとつになってしまう。社会で不要になった輩の行き場所は、葬儀に出席するか本人がその場所を提供するかしかないようだ。
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