システムプリンタとは
プリンタといえば印刷機だが、システムプリンタというと、一般人には聞きなれない術語だ。また、キヤノン・富士ゼロックス・リコーなどは、印刷機のことをプロダクションプリンタとも呼ぶ。現在でも各社が独自に使用するため、明確な定義は難しい。愚生は、混乱の原因は、キヤノン・富士ゼロックス・リコーなどの印刷機器ベンダーが、上位のシステムを理解しないで、使用したことにはじまったと考える。例えば、銀行業務の勘定系システムは、基幹系システムと呼ばれる。IBM360シリーズのシステムにチャネル接続で結合されたプリンタは、正しくシステムプリンタだ。愚生の定義では、IBM360システム上の業務アプリに同期して印刷可能なプリンタを指す。つまり、IBM360システムで印刷指示を実行させた後、電源が消失した場合であっても、どこまで印刷したかが正確にシステム上のアプリケーションから把握できることだ。障害を復旧させた後、業務を再開させた場合でも二度同じデータを印刷することはない。仮に、請求書が間違って二度送付されれば、受け取った顧客は非常に怒るだろう。コンピュータで業務効率が各段に改善したのは、間違いが絶対になく、人間が改めてチェックしなくてすむからだ。みずほ銀行や東証での障害が、社会問題になるのは、あってはならないことが起きたからだ。ネットワークが発達したいま、Systems Network Architecture(SNA)系の印刷システムと同等の機能と正確さが求められる。キヤノン・富士ゼロックス・リコーなどが、プロダクションプリンタと呼んで提供する印刷機器は、印刷に重きをおいているため、ネットワ-クの中継器の故障やプリンタ自体の電源断時に細かく印刷状況がホストに伝わらない。つまり、データを送出した時点で、結合が切れてしまうからだ。IBMが1964年に発表したメインフレーム コンピュータのアーキテクチャーでは、これが完全無欠に実現されている。いまさらながら、その技術力の高さに敬服する。グーグルやヤフーで、システムプリンタを検索すると、富士通や日立関連会社がヒットする。そういえば、富士通・日立の両社は、日本のコンピュータの黎明期にIBMコンパチブル路線を共同で選択し勝ち残った。それゆえ、基幹系システムを熟知しているのだろう。愚生の目から見て、システムプリンタと呼ばれるもので、上位アプリケーション層から眺めれば、 SNA系の印刷をTcp/ip上で実現した富士通VSPシリーズが最も美しく見える。
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