
著者三浦しおんが在住するM市がモデルとなっている「駅前多田便利軒」という小説がある。そのモデルの「
まほろ市」は「大きく神奈川県に張り出した東京都南西部最大の町で、住宅街であり、歓楽街であり、電気街であり、書店街であり、学生街であるがゆえに、スーパーマーケットやデパート、商店街や映画館といった施設は軒並み揃っている。そのため、生涯を通して大凡のことがまほろ市内だけで済み、街から出て行く者が少なく、たとえ出て行ったとしても、また戻ってくる者が多い。」とある。まほろ市役所の裏は、JR横浜線が走っている。それを渡ると神奈川県S市となる。地図と違って地面に線は引いていない。都県境が入り組んでいて、どちらに立っているのか判らない。そのため愚生の住む自治会は、まほろ市とS市、両方に依頼しなければならないことがある。ずいぶん前から依頼している「都県道○○号線からの道路整備」についても同様だ。東京都まほろ市側が完了しても、神奈川県S市はいっこうに進まない。
S市役所職員は、公務員という身分のため結果責任という考えがまったくない。両市が書面で結んだ道路整備計画でも担当課長が替わると前任課長からの引継ぎ業務を簡単に放棄する。行政区域内の道路用地は、管轄自治体が行うことが前提だ。それなのに、まほろ市と協議もせずに、S市内の道路底地を、まほろ市が交渉を代行して行い、まほろ市議会が認定するという方針にしたという。自身の問題を追及され、責任問題が発生すると「S市としては、まほろ市の整備計画の策定待ちの状況であり、その結果を踏まえて今後の対応を検討する。」と変わった。まほろ市議会が道路認定してからは、「『S市私道路敷整備要綱』の規定に基づき、整備を進めてまいりたいと考えております。」との回答になった。数年間という歳月を、S市課長は公文書として残っている「他市との契約」を放棄する仕事に精を出していた。まほろ市担当分の道路整備が終了すると、「S市道路整備要綱」の規定に基づき、整備を進めいるが、S市住民側の問題で進捗していないとの回答に変えた。「S市道路整備要綱」と「まほろ市道路整備要綱」の条例文は、ほとんど同じだ。同様の「道路整備要綱」を持つ、まほろ市とS市で進捗がこれほど違う理由は、職員の取り組み方と条文の運用方法が大きく違うだけだ。「道路整備要綱」とは、本来「宅地開発業者の道路用地寄付申請」を前提にしているため、50年前に分譲した道路底地に適応するには無理がある。S市は、仕事を減らす目的の長い間の交渉や書面のやり取りに、多大な職員給与が支払われていることに気づいていない。費用対効果が頭にない公務員のなせる業だ。民間企業でこのような非効率なことが発生すれば、とっくに淘汰されている。S市は、土建業者でもない自治会長に土地移管の仕事を押し付けて、自分たちの仕事の手抜きを考える。そして、できない理由を住民のせいにして言い逃れをする。S市役所職員は、地方公務員としてあるまじき態度だ。普通の会社であれば、懲戒解雇だ。
JR横浜線を一歩渡るだけで、これだけ大きな地域格差がある。東京は、だてに日本の首府ではないとつくづく感謝する。ところで、枡添都知事は、ろくに仕事もせずに外遊ばかりしている。自民党も、ろくでもない候補を担いだものだと腹立たしくなる。
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