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2014年9月 2日 (火)

新聞記事にも正しい分析と説明を

Imgres 日経新聞に、「富士通利益率5%へクラウド注力」という記事があった。富士通がクラウドという成長分野に活路を見いだし復活しつつあるという内容だ。ネットワーク経由でソフトを使うクラウドになれば、今まで機器やソフトを販売していた自らの市場が崩壊する。それでも、パワーシフトしなければ、生き残れないのだろう。面白かったのは、米IBMなどはサービスやソフトに集中することで、2割近い利益率を誇る。富士通は伝統的に端末やサーバーなどハードを重視するため利益率は低いが、国内のサービスに限れば1割の利益率がある。そして、「低採算のハードから撤退すべきだ」という指摘は多いが「ハードなくして技術的な競争力を保てない」と山本社長は語ったという。この記事は、日経新聞記者の突っ込みが足らない。記者自身がよくIT業界を理解していないからなのだろう。そして、同様に富士通社長もシステムを解かっていないようだ。解からない者同士の取材記事など、有料の紙面に書くなといいたい。IBMがクラウドという時は、プライベートクラウドのことだ。Googleなどのパブリッククラウドではない。「クラウド」という単語が、盛んに使われているが、過去に似たような形態がなかっただろうか?すぐに思いつくのは、ホスティングだ。小規模サーバーシステムが必要なら、ネットワーク経由のレンタルが一番安いし、手間もかからない。愚生も、カナダの会社からサーバーをレンタルしている。海外からのレンタルは、英語仕様のため、苦手な愚生には辛いものがある。しかし、値段が安い魅力には逆らえず、長い間レンタル使用している。ところで、クラウドに過去のシステムをスムーズに移行させるには課題が多い。情報系のシステムであれば、それほど問題にならないが、基幹系システムでは致命的になることがある。それがなにかといえば、信頼性の問題だ。過去のシステムと同様な信頼性とタイミングで、確実に実行されたことを保証しなければならない。IBMが、ハードを縮小できるのは、過去の差別化は、ソフトサービス資産が主流だからだ。そのため、パソコン、スマホ、タブレット、IAサーバーなど眼中にない。しかし、メインフレームやスーパーコンピュータなどのハード分野には、十分な投資がなされている。富士通もこういう端末分野からは、早期に撤退すべきだ。しかし、過去のシステムを汎用ソフトに移行するには、多大な投資が必要だ。IBMのように、多くのシステム資産を持っていなければ、採算がとれない。富士通のような会社では、過去のシステムとの完全互換を保持するために、ハード機器の中にシステム整合させる補完機能(ソフトや一部ハード)を忍ばせて対応するしかない。富士通社長が言うような、パソコンやタブレットを作ってアセンブリーハードを売ることではない。この記事にも、IT産業の動きは速い。経営判断は正確さと同時に速さも求められるとあるが、新聞記事にも正しい分析と説明が求められる。

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