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2014年10月29日 (水)

価格が高ければ市場は受け入れない

Ess681 プラズマテレビ事業を最後まで継続していた韓国のLG電子は、事業から撤退すると発表した。プラズマテレビというのは、プラズマディスプレイを表示部に使ったテレビだ。プラズマ自身が発光するから、液晶テレビのような反射光ではない。愚生が、プラズマディスプレイに出会ったのは、今から30年以上も前のF社に勤務していた頃だ。今では、競馬場や野球場の大型ビジョン(野外広告など)は、当たり前になっている。しかし、ずいぶん昔は、電光掲示板は非常に高価で、競馬場・競艇場や国立競技場くらいにしか設置されていなかった。F社は、公営競技場からコンピュータシステムを受注するため、大型の電光掲示板も自身で開発していた。プラズマ自身が発光するため、屋外では液晶表示装置より圧倒的に見やすい。そういう訳で、つい最近までは大型テレビは、プラズマディスプレイが有利と言われていた。その後、素子自身が発光する有機ELが登場すると、テレビ向けのプラズマ表示装置のメリットは薄れた。有機ELテレビの長所は、プラズマテレビに必要な放電スペースが不要なため薄型テレビの実現が可能だからだ。しかし、その有機ELテレビも、製造コストの引き下げが難航し、広く普及しないため事業化を止める企業も出てきた。テクノロジーの世界は、高品質のものが市場から追い出されて、品質の劣っている製品が勝つこともある。プラズマテレビや有機ELテレビは、液晶テレビよりもずっと精密な色を出せると言っても、価格が高ければ市場には受け入れられない。その結果、画質が劣り、大型化にも不向きと言われていた液晶テレビが、度重なる技術革新で優位に立ち、大型テレビでも主流のようだ。プラズマテレビ市場の読み間違いは、企業の浮沈に大きく影響を与えた。F社は、テレビなどの民生品分野は日立との合弁事業にし、その後、日立にすべて売却した。NECもプラズマ事業を、パイオニアに売却して撤退した。規模を拡大して事業を継続していた日立・パイオニア・パナソニックも、最後には撤退することになった。各社、減損処理で大赤字になったが、屋台骨が小さなパイオニアには致命的な打撃となった。その後のパイオニア株価を見れば察しがつく。昭和40年代のオーディオ機器メーカーといえば、パイオニア・赤井電機・山水電気・トリオ・日本ビクター・テクニカなど懐かしい名前を思い出す。愚生も学生だったころ、パイオニアのアンプ・スピーカー、トリオのチュナー、テクニカのカートリッジ、日本ビクターDDターン・テーブルなど狭いアパートに飾っていた。思い出せば、いい時代だった気がする。

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コメント

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投稿: ugg outlet yelp | 2014年11月11日 (火) 23時53分

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