戦争を知らない平和な時代生まれ
暇に任せて、ネット検索していると、国民新聞
1927.6.15(昭和2)に、この7月1日から欧亜直通運輸開始という記事があった。愚生が、初めて海外旅行をしたのは、かれこれ40年くらい前だ。当時、大学生だった愚生は、ホット・ドックという英単語くらいしか知らなかった。一人旅の気楽さからか、身振り手振りで意思を伝えて西欧を徘徊したことを思い出す。当時は、スペインは王政復古、ポルトガルは共産党が進出して騒然とした時代で、日本人旅行者は少なかった。そして、海外に米ドルを持ち出すことも厳しく制限されていた。ところが、戦前は海外に行くことは、もっと身近だったようだ。国民新聞 1927.6.15(昭和2)によれば、【十三日鉄道省発表】日本からシベリヤ経由モスクワ、伯林、パリ、ローマ等主要都市行きの直通乗車券を七月一日から発売する事になる。本連絡運輸の主要事項を摘記すれば左の如くである。
取扱駅
▲日本側 東京、横浜、名古屋、京都、大阪、三ノ宮、神戸、下関、門司、長崎、敦賀、釜山、京城、平壌、安東、大連、営口、奉天、長春等
▲ソウイエト連邦 ハバロフスク、ブラゴエシチエンクス、チタ、イルクーツク、オムスク、スウエルドロフスク、モスクワ、レニングラード、ハリコフ等
▲エストニア国 ターリン
▲ラトビア国 リガ
▲リトワニワ国 カウナス
▲ポーランド国 ワルソー
▲ドイツ ベルリン、ハンブルグ、アルトナ、ケルン
▲ベルギー ブラッセル、リエージュ、オスタンド
▲仏国 パリ、カレー
▲チェコスロバキア プラーグ
▲オーストリア ウイーン
▲伊太利 ローマ等
経路
極東では(一)釜山-ハルビン-マンチユリア(二)大連-ハルビン-、マンチユリア(三)敦賀-浦潮-ハルビン-マンチユリア(四)敦賀-浦潮-ハバロフスク-チタ
又欧洲では
(一)モスクワ-ワルソー(二)モスクワ-リガ等である
これを見れば、東京駅や横浜駅で、オーストリア行きやローマ行の鉄道乗車券がすでに買えたのだ。戦前、日本人の意識は、もっと西欧は近かったようだ。そういえば、愚生の曽祖母は、宣教師に英語を習って上海に行ったというし、親父も旅順工科大学・採鉱学科卒で、経験を生かし黒部第四ダムの建設に従事した。戦前生まれの人たちは、遥かにグローバルな世界観で生きていたようだ。愚生が小さい頃、母の口癖は、お前みたいな「おっちょこちょい」は、戦前なら特攻隊に志願して早死にしたと揶揄した。戦争を知らない平和な時代生まれた我々は、感謝しなければならないのだろう。そういえば、懐かしい曲があった。
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