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2014年11月 1日 (土)

パソコンの歴史を眺めれば・・・

Images ソニーの9月中間連結決算は、最終赤字が1091億円となる大幅赤字決算となった。携帯電話事業だけで1720億円の営業損失を出し、ゲームやカメラなどの黒字事業の足を大きく引っ張った。今回も、オオカミ少年だった。ソニーが過去6年間、テレビやパソコンで1兆3400億円もの累積営業赤字をだしてきた。これまで、「構造改革(リストラ)」という名のもと、赤字を垂れ流すテレビ事業を分社化、パソコン事業は売却した。そして、スマートフォンを中心としたモバイルコミュニケーション事業で、生き残るという戦略だったはずだ。その目論見が、早くも崩れた。計画台数が、14%減の4300万台の下方修正なら、事業関連の固定資産などの減損処理で、赤字額がさらに膨らむだろう。サムスン電子と同じで、新興国の低価格機種に押されて売れなかった。日立・東芝・三菱・パナソニックは業績を順調に回復してきている。いったい何が違うのだろうか?業績が回復している企業は、インフラ電機にパワーシフトしている。富士通・NECなどは、収益源をソフト・サービスや法人向けで保っている。まず、ソニー平井社長は、年間20数%という成長をみせるスマホ市場を、カメラ事業やゲーム事業と並ぶ「重要なビジネス」と位置づけていること自体が間違いだ。法人向けのシステム・インテグレーションなどないソニーにとって、端末機器などで付加価値がつくはずもない。パソコンのWindowsと同様に、スマホのOSはAndoroidだ。この社長さんが、コンピュータを多少とも理解していたなら、こんな馬鹿げた戦略は立てない。サムソン電子が陰ってきたのも、市場が成熟して低価格競争に入り込んだからだ。IBM、コンパック、HP、デル、エイサー、レノボと主役が変わってきたパソコンの歴史を眺めれば気がつきそうなものだ。OS提供企業の手の上で踊るには、ソニー従業員の給料が高すぎる。つまり、固定費が高すぎる。インドや中国企業のような6000円~一万円くらいのスマホをなど作れるはずはない。サムソン電子と同様に、高級機での差別化戦略などでは生き残れない。高級機指向の日本市場を見れば、アップルiOSのiPhoneが好まれる。愚生の友人に限れば、Andoroid 端末を持つひとなどほとんどいない。ギャラクシーでさえ、日本市場では全くシェアが取れていない。今のソニーで特筆するものは、撮像素子くらいしかない。スマホからの早期撤退が、次の構造改革の柱だ。ソフト・サービスで稼ぐ富士通の業績が冴えないのも、出身母体だったトップが、未だにスマホやパソコンにご執心だからだ。こんな簡単なこともわからないサラリーマン社長では、先が思いやられる。

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