強い者は、弱い者に負債を押し付ける
新生銀行から、外貨購入の手数料値下げ案内がきた。手数料の値下げ競争が起きている原因は、多くの投資家が円を外貨に替えているからだろう。銀行も資金の流出を避けるため手数料を下げたようだ。投機筋の円売りポジション(売建玉)の清算が終わったのだろうか?今朝は、再び円安に振れている。政府は、景気対策といいながら円安を強力に推し進める。しかし、隠れた狙いがあるのではと疑ってしまう。日本は、世界一の債権大国だ。つまり、外貨建てで海外に多くの資産を持っている。一方、政府は財政赤字を補うため国債を1000兆円以上も発行している。そして、その多くは銀行や定期預金という名で、形を変えて個人が引き受けている。ドル・円の為替が、10%円安に振れれば、世界共通の通貨ドルで量れば、10%政府の借金は減る。一方、海外の外貨建て資産は、円以外の通貨が不変と仮定すれば、ドルベースの債権は変わらない。つまり、日本という国の収支をみれば、ドルベースで10%政府の借金が減ったことになる。誰がそれを負担するかと言えば、政府を信用して円というお札や円建て国債を持っていたひとだ。円高で政府の借金が増え、円安でインフレになれば、借金が減ることになる。しかし、よく考えればこれを世界規模で行った国もある。第二次世界大戦後半、米国ブレトン・ウッズで、ドルを世界の基軸通貨として、金1オンスを35米ドルと定めた。そして、そのドルに対し各国通貨の交換比率を定めた。この固定相場制のもとで、日本円は1ドル=360円に固定された。しかしその後、米国の紙幣乱発で、金の産出量や保有量が追いつかなくなった。そこで、1971年8月にニクソン大統領は(ニクソン・ショック)は米ドルと金の交換を停止した。そして、1973年には本格的に変動相場制に移行し、ブレトン・ウッズ体制は完全に終結した。要するに、世界各国は米国の借金を棒引きにさせられた。円に対して米ドルの価値は、三分の一以下になってしまった。立場の強い者は、弱い者に負債を押し付けるということは、有史以来繰り返されてきたようだ。愚生の穿った見方だろうか?
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