シャープを立て直すには、もう遅い
シャープの2015年3月期決算が、再び連結最終赤字に転落する。テレビなど主力製品で採算が悪化し、赤字は数百億円規模にのぼるようだ。中期経営計画を撤回し、今春をメドに新たな再建計画を策定するという。愚生が勤め人だったころ、12月の年末は来年度の事業部計画の作成あたっていた。シャープの中期計画は、3年毎のようだから▼6000億円近くの最終損だった2013年末に作成されたものだ。次年度2014年度は、既に見えていただろうから、一年で狂いが生じたことになる。売上高は従来予想の2兆9千億円を下回り、営業利益は前期比半減の500億円前後というから、本来増えなければならない本業が儲かっていないことになる。円安・ドル高で、海外で生産する白物家電や太陽電池などの輸入採算も悪化、電子部品事業も赤字になる見通しだというから、すべてで儲かる事業がなくなってきているようだ。そして、18年3月期を最終年度とする新たな計画に作り直すという。不採算事業の撤退など抜本的なリストラ行い、新規事業の育成にも取り組むとある。しかし、新規事業の取り組みなど、今から容易にできることではない。構造改革というリストラ計画で損益を改善するしかないだろう。そのためには、銀行に新たな資金を提供して貰わないとリストラもできないが、収益で儲かる事業がなければ、いくらリストラしても企業再生はできない。「シャープの強みとは、いったい何だろうか?」愚生が若かったころ、奈良の大仏があるシャープによく行ったものだ。担当社員は、生き生きとしていて儲かっている会社は違うものだと思った。昔のF社のようだと言いながら、当時のF社の体たらくを嘆いていた。振り返れば、シャープも昔はワープロ書院やMZ80などのパーソナルコンピュータも作っていた。インクジェットプリンターでは、IO700という機種も懐かしい。あのころの闊達なシャープを取り戻さなければ再生はありえない。肥大した部品事業液晶パネルは、半導体のメモリ投資と同じだ。海に網を入れてみるまで魚がいるかどうかわからない。同じ半導体でも、汎用メモリではなく、ASIC、システムLSI、ASSPを扱っているなら事業は比較的安定している。撮像素子に特化したソニーの半導体事業などは好調だ。シャープトップの経営陣が、事業の選択に注力した液晶パネルが、汎用半導体事業だと思わなかった見識のなさが今を招いている。今からシャープを立て直すには、もう遅い気がする。
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