米国は歴史からなにも学んでいない
ローマ法王フランシスコは12日、バチカンで行った新年のあいさつで、広島への原爆投下に触れ、「1945年8月6日、われわれは人類史上、最も恐ろしい惨事の一つを目撃した」と平和な世界を構築するよう訴えた。法王は昨年11月に広島や長崎の原爆投下に関して記者から質問された際も、被爆の歴史から「人類は何も学んでいない」と述べていた。法王は言及しなかったが、米軍の東京大空襲も国際法違反は明らかだ。約10万人が死亡した東京大空襲は、非戦闘員の殺傷を目的としており、「作戦任務」の目標は、軍事施設ではなく「東京市街地」と明記されていた。最初から、一般住民を標的にしていたことは明らかなのだ。被害者年齢層の4割近くが未成年だったことから、米軍による子供の大量虐殺にほかならない。焼夷弾を使用した夜間無差別爆撃の作戦計画作成に当たったロバート・マクナマラ元国防長官は「私は戦争犯罪を行った。負けていればだ。」と自ら認めている。太平洋戦争について、戦勝国の米国は自らを全て正当化し、問題を敗戦国日本に押し付けるという嘘が、歴史検証がなされた今、戦後70年以上も続くはずはない。先般、米国サキ報道官は、安倍晋三首相の戦後70年の首相談話について言及するなど、米国の傲慢には辟易させられる。今回のローマ法王の新年のあいさつは、米国は歴史からなにも学んでいないことを、改めて指摘したのだろう。
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