経済アナリストの予想など信用しない。
勤め人をしていたころ外為・債券・株先ディーラーだったという人が独立して、経済研究所という会社を興している。商売柄、話し方も歯切れがよく、聞いていて面白い。一番感心するのは、金や石油、イスラム国の軍事情勢など自信満々に言い切ることだ。アナリストというから、予想や講演をして見返りに金品を貰っているのだろう。いつも不思議に思うのは、そんなに予想が当たるのなら、自分で投資すればウォーレンパケット氏のように大金持ちになることは間違いない。なにも安い出演料でラジオに出たり、予想をCDに書き込んで売る必要もないだろう。一昨日、日経ラジオで、K氏は原油の上げは、空売り解消の買い戻しで、今後30ドルまで下がる。そして、ドル円為替相場は、120~130円など忘れて110円を意識すべきだと説いていた。その自信満々の口調に感心して聞いたが、信用はしていなかった。米国金利が上がれば、ドル円為替相場は円安になると愚生は思っている。昨晩、米国債券が売られて、ドル円相場は119円の円安に振れた。予想屋の言うこととずいぶん違う。おまけにWTI原油価格も上昇して、50ドルを上回って30ドルになるようにも思えない。K氏のいうイスラム国分析や原油・為替も含めて大外れだ。こんないい加減な予想を、自信満々に説いて金をとるなど詐欺師と変わらない。昔、邱永漢さんが、別荘の購入を進める講師の話など信用するなと言っていたことを思い出す。なぜなら、別荘を持つ身分の人なら暑い夏に講師など引き受けずに、別荘で佇んでいるという。なるほど、経済アナリストも拍切れのいい口調は、面白くて聞く気がする。しかし、予想内容については、信用しないことにしよう。ところで、昨晩、金利上昇で米国リート指数は大きく下げたが、為替が円安に振れたため下げを多少相殺してくれた。金融市場は、金・原油・株・リート・為替とずいぶん複雑に絡んでいると、つくづく考えさせられる。
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