羽生善治名人が、タイトルを防衛
将棋の第73期名人戦七番勝負第5局で、羽生善治名人が行方尚史八段を破り、タイトルを防衛した。歴代では大山康晴十五世名人の通算18期、中原誠十六世名人の通算15期に次いで単独3位となった。また、タイトル獲得は歴代最多を更新して通算91期とした。テレビ観戦で名人戦を見ていたが、第3局以降、序盤は苦しい戦いだったが終盤で粘って勝った。もちろん、愚生のような者に名人戦の優劣の詳細など判らない。解説者の屋敷九段の弁だ。愚生が育った田舎は、冬は豪雪地帯のため戸外で遊ぶことはできない。娯楽がなかった時代、遊びと言えば、将棋やトランプ、卓球などしか選択肢がない。そういうわけで、小さい頃から将棋を指すことが多かった。当時は、大山康晴十五世名人の全盛期だった。そして、プロの間でも四間飛車が最も盛んに指されていた。棋力があれば、どんな戦法でも指しこなすのだろうが、愚生のような弱い者は、何かに特化して定跡を覚えなければ上達はない。陣形のバランスが良い「つの銀中飛車や風車戦法」を好んで指した。最近流行した「ごきげん中飛車」でも、中飛車は金銀が左右に分離して玉の囲いが薄いため、バランスよく指す棋力がなければ上手くいかない。棋力のない愚生には、到底指し回しができないため、負けても胸がすく攻撃型の居飛車矢倉を指すことが多かった。入社してからも、休み時間やF社の将棋部で指し、○段申請の認定書も頂いた。しかし、住宅ローンに追われる身分で、将棋免状取得などにお金を使いたくなかった。そうこうしているうちに、その認定書も失くしてしまった。F社でも中堅社員となり部下を持つようになると、忙しくてとても将棋など指す暇はなくなった。そして、将棋を再び指し始めたのは、勤め人を辞めてからだ。時代も変わり、対戦相手はコンピューターだ。電脳将棋戦で、プロのA級棋士も破るコンピューターは、相手にとって十二分だ。彼は待ったにも快く応じてくれるので、大変友好的な対局相手だ。ところで、下衆の勘繰りで、将棋棋士の年収を調べてみた。名人などのタイトル保持者(7大タイトル戦)は、タイトル戦の成績によるので、一概には言えない。公式発表によると,ここ数年は羽生さんの対局料ベースの年収は1億円前後、また7冠独占の全盛期は2億円超だった。他のタイトル保持者のトップ棋士で、7000~8000万円という。例えば、将棋プロ棋士の2013年獲得賞金・対局料ベスト10でも、下位の7位 行方尚史八段 1,821万円、10位 三浦弘行九段 1,633万円とかなり低い。五段クラスの平均年収は、600万円前後、フリークラス棋士なら順位戦を指さない分低く300万円前後だと言われる。才能が必要とされる割には、収入が少なく大変な職業だ。そういう事情もあって、退職後、多少のお金の工面はできたので、改めて実力以上の○段の免除を日本将棋連盟から頂いた。ただし、実力不相応な免状のため、それ以後人とは指さないことにした。
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