損得のからくりは退職所得控除に起因
日経新聞に、企業年金を退職時に一括で受け取る人が増えているとあった。2013年に企業年金を一括で受け取った人の割合は69%と5年前と比べ9%上がったという。愚生のように、何も考えないで企業年金を年金形式で受給している老齢者が少ないとは驚いた。愚生の勤務したF社でも、企業年金を退職時に(1)全額を年金(2)一括受け取り(一時金)という選択肢があった。日経試算では、退職時に一時金の受け取りを選ぶのは、年金で受給するより得になる人が多いためだという。たとえば、勤続43年(65歳)の退職者が、2000万円(10年有期年金)をもらう場合、どれくらい差が出るかの試算があった。どうも損得のからくりは、退職所得控除を使うことに起因する。勤続年数が長ければ、退職金からの控除額は大きい。企業年金を予定利回り2%の年金で受け取った場合、10年で2183万円を受け取れる。これを、公的年金と合わせれば、年480万円にもなる。これにかかる住民税と所得税は年56万円だ。差し引けば、10年間の手取り額は4238万円となり、一時金でもらうより166万円も少なくなる。予定利回りが高かった時は、年金で受け取る方が手取りが多くなる人も多かった。しかし、2000年以降、企業は財務負担増を避けるため予定利回りを下げたため、このような逆転現象となった。悲しい話だが、晩婚化で高齢で住宅ローンを組んだ世代は、退職時の65歳時点で住宅ローンが残る人も多い。その場合、退職時に一括で受け取った年金で繰り上げ返済する人が多いことも一因だ。いずれにせよ、団塊の世代以降は、退職しても楽な世界はないようだ。おまけに、政府は財政再建のため、インフレにして政府借金の軽減を図ろうとしている。そう考えると、年金を退職一時金で受け取り、インフレヘッジが可能な資産で持つほうが安心だ。選択肢は、債権以外から選べば、リスクが高い株やリートになってしまうため要注意だが。
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