多少悟りが深まったのだろうか。
今日は、MXテレビで昼飯時に夏の甲子園の西東京決勝戦を放送していた。西東京は、愚生の住む地域だが、近場の高校が早々に負けたため、これといって肩入れするチームはない。代表校は大変だろうが、甲子園で頑張って頂きたい。愚生の大学時代は、夏の甲子園が終わると、楽しい夏休みもおしまいのような気がした。遊学していた愚生は、親が帰れとうるさく催促するため、お盆にはしょうがなく田舎に帰った。帰省した頃は、甲子園の決勝戦近くになっていたため、家でぼんやりと野球をテレビ観戦することが多かった。当時は、田舎のアーケード街も賑わっていて、街にいけば知り合いに会うことが多かった。当時の活況だった商店街は、今は人も通らないシャッター街となり、すっかり沈んでしまった。平家物語の冒頭に、「祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす」とあるが、まさにその様だ。愚生と言えば、最近は医者から心不全といわれ、田舎のシャッター街と遜色なく、風化するのを待っている状態だ。若い人が、闊達に街を歩いている姿を見ると羨ましい限りだ。ただ、若い頃には、将来の風景が全く見えず、何時も不安が胸の内を横切っていたことを思い出す。それを考えれば、体調不良と言っても、今の心境のほうが気分的に過ごしやすい。歳を重ね、多くのことが今ではもうでないことを悟ることは、煩悩を減らすのだろう。涅槃の心境とは程遠いが、多少悟りが深まったのだろうか。
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