羊の皮をかぶせた狼(デリバティブ)商品
最近、郵便局や銀行窓口では、余裕資金があって金融知識のない人に、お得といって「保険」を紹介する。愚生に言わせれば、一括払いにしろ、月掛払いにしろ、詐欺に近いようなものだ。誰しも、自分が死んで受け取るお金などには興味はない。保険商品を魅力的に見せるには、受け取る時の額が支払った額より多いことだ。保険会社と言っても、集めたお金を何かで運用しなければ利払いができない。運用先を考えれば、債権、株式、REITなどになる。保険会社の企画商品は、元本から保険料を差し引いた額を投資して運用する。その時に、保険会社が損をしないように、リスク商品で運用すれば変額になり、固定金額で返金するなら長期な契約となる。商品の良し悪しを見分けるなら、保険加入前に、一括払いなら1週間後に、分割なら1年後に解約した場合の返金額を聞けばいい。こうすれば、彼らの手数料や、管理料の高さに驚いて加入する人は少ないだろう。満期返却金を大きく見せるため、為替ヘッジもせずに、円より金利の高い豪ドルや米ドル建て商品も販売している。30年前に、日米欧5カ国はドル高是正の「プラザ合意」をした。その結果、円相場は1年で1ドル=240円から150円台に上昇した。今1ドル120円の円安と言っても、30年前に米ドルで投資すれば受け取る金額は円換算で1/2になる。例えば、月払いの商品で、25歳で加入し、月払い保険料1万5000円を60歳まで払い込み、満期据え置き後、65歳で一括受け取る商品を考えてみる。60歳までの掛け金の総額は630万円で、65歳時に一括でお金を受け取ると約777万円となる。確かに、40年後に掛け金の123.3%を受け取る。しかし、将来のお金の額は物価上昇を加味すれば不確実性が高い。25歳から60歳までに支払う保険料の総額と、65歳でもらう一括金とを、額面通りに単純比較できない。こんな商品は、詐欺と言っても過言ではない。この例でも、加入から1年後に解約した場合の払い戻金は、1年間の保険料総額18万円に対し、7万3702円だ。つまりマイナス▲59.1%だ。40%のお金が保険会社の粗利益となって消えている。要するに、年間保険料の半分以上の掛け金は、営業職員の報酬などを含む保険会社の運営費用だ。実際、保険会社も基本的に長期の債券を購入し、預かった保険料(元金)を運用している。それなら、保険会社を通して債券を買わないで、自分でネットから直接購入すればいい。少なくても、販売手数料や管理手数料は不要だ。このような保険と言う羊の皮をかぶった狼(デリバティブ商品)を販売することは、詐欺ではないだろうか?
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