スパコンに搭載するCPU開発は国家戦略
スーパーコンピューター(スパコン)の世界ランキング「TOP500」で、2013年から1位を守り続けている中国の座が危ぶまれている。中国のスパコンが核兵器の開発に関与している可能性があるとして、米商務省がCPU(中央演算処理装置)を納めている米インテルと、GPU(画像処理ユニット)を納めているエヌビディアなどに対し、中国への輸出を禁じたからだ。今回、中国は「インテル」CPUの輸出を差し止められ、スパコン開発が止まってしまった。元来、コンピューターとはミサイルの弾道計算など軍事と密接にかかわる。スパコン製造に当たっては、米企業製の半導体なしにはありえない状況だ。スパコンに使用するCPUと言えば、「インテル」、「IBM」、「AMD」と米国設計のCPUが独占している。唯一「サン・マイクロシステムズ(オラクル)のSPARC」だけは、富士通との共同開発だ。理化学研究所のスパコン「京」には、富士通が開発したCPU「SPARC 64 VIIIfx」を採用している。SPARC64 VIIIfxは、富士通が製造する日本製のCPUだが、SPARCは日本が独自に開発した物ではない。SPARC自体はアメリカのサン・マイクロシステムズが1985年に開発し、富士通がライセンス提供をうけて製造した。その後、富士通とサン・マイクロシステムによる共同開発となった。さらに、SPARCをベースに、富士通米国子会社HAL Computer Systemsと富士通がSAPRC64を開発した。そして、スパコン用に拡張したCPUが「SPARC 64 VIIIfx」だ。スパコン「京」の事業仕分けで、蓮舫は「なぜ、1番なんですか?2番じゃいけないんですか?」 と発言したことを思い出す。蓮舫への説明など、豚に真珠だろうが、中国のようにCPUを米国に依存するようなら、最先端のスパコン開発はできない。富士通との随意契約を批判する軽薄な評論家もいるが、スパコンに搭載するCPUを、国家戦略として設計・開発・製造体制を維持することは、自衛隊と同様に必用不可欠なものだ。
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