年金生活者も非正規従業員と同じ心境
ワタミ(和民)が発表した2015年9月中間連結決算は、主力事業の居酒屋チェーンで客離れに歯止めがかからず、税引き後利益は20億円の赤字だった。売上高は前年同期比10.3%減というから、当然だろう。固定費が急に減るわけではないだろうから、売り上げ減は、即営業利益が減る。ワタミは、12月に有料老人ホームを運営する子会社「ワタミの介護」の全株式を、210億円で売却するため、16年3月期連結決算は、税引き後利益は130億円の黒字(前期は128億円の赤字)になる見通だ。黒字と言っても、蛸が自分の足を食っているようなもので、足の数にも限りはある。成長分野の優良子会社を売却しなければ、構造改革費用の捻出が厳しいのだろう。勤め人時代に、和民へは養老乃瀧と同様によく通った。居酒屋チェーンが多い中、両チェーンとも非常に商品単価が安かった。愚生のような背広姿が少ない店だったが、安さにつられて会社帰りによく立ち寄った。リーマンショック以降、居酒屋の客数は前年割れが続いた。この対策として、ワタミは生ビールを100円値下げし、安値路線を打ち出した。しかし、これを機に居酒屋チェーンは値下げ合戦となり、負のスパイラルにはまった。そして、主力客だった安さを求める層は、食事やお酒を自宅で飲む「宅飲み」となり、さらに客数が落ち込んだ。こうなると、手の打ちようがない。景気が良くなっても、賃金上昇で従業員の確保が大変だ。非正規従業員が多くなる社会下では、明日の貯えがなければ不安で暮らしていけない。マクロで見れば、社会現象が居酒屋チェーンを衰退させたともいえる。わが身を振り返ると、勤め人を辞めてから、同窓会でもなければ、居酒屋などに行かなくなった。年金生活の愚生も、非正規従業員と同じ心境になったようだ。
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