事業買収は結構面倒なことが多い
各メディアで、東芝メディカルシステムズの売却先として、キヤノンの条件が富士フイルムホールディングスなどを上回ったと流れている。愚生が先日指摘したように、7000億円規模の買収額もさることながら、事業の重複が少なく独占禁止法の審査が容易なキヤノンになると思った。事業買収と言うと、会社間の売買だと単純に考えがちだが、けっこう面倒なことが多い。今回の場合は、東芝メディカルシステムズは子会社という扱いだが、基礎研究部門は東芝と一体だったろう。そして、東芝メディカルシステムズの社員の中には、多くの東芝からの出向者がいる。彼らは、東芝を退職して東芝メディカルシステムズまたは、キヤノン社員となるための退職の同意書が必要だ。富士フィルムとの統合では、いずれ開発・研究部門の社員は、医薬品・ヘルスケア研究所がある神奈川県足柄上郡開成町に移ることになる。これでは、那須に生活基盤のある従業員は、簡単に移籍に同意しないだろう。重複部門がないキヤノンであれば、現在の大田原工場か宇都宮市内のキヤノンの研究所で済む。いずれも、現在の自宅から通勤可能なため同意に手間はかからないだろう。そういえば、40年前に東芝の医療機器部門が、川崎市武蔵溝ノ口から那須に移った時に知り合いが移籍を拒否して東芝を退職したことを思い出す。ところで、東芝メディカルは2015年3月期の連結売上高が約4000億円の売り上げで160億の純利益というから利益率が4%しかない。買収価格が高いか安いかは、見方によるだろう。投資家から見れば高いだろうが、キヤノンとしては新たな事業領域の獲得のため安い買い物かもしれない。愚生は、キヤノンが参入すれば、いつの間にか医療機器市場を席巻するような気がする。ただ、短期的には、利益率が悪化するだろう。そう思い、追加で購入したキヤノン株を昨日損切りした。また、つまらぬ売買をしてしまった。
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