限りなく支那と疎遠な日本株
インドネシアのジャワ島高速鉄道計画は、日本が3年前から受注を前提に地質調査などを進めてきた。ところが、インドネシア政府は、土壇場で後から参入した中国案を採用した。日本政府は、「インドネシア政府の決定は、理解しがたく、極めて遺憾。信頼関係を損ねた。」と厳しく非難する顛末だった。その後、中国が受注した高速鉄道建設は、今年1月に着工式典が行われたが、その時点でインドネシア運輸省の許可が下りず、工事は始まっていなかった。今回、高速鉄道計画(全長142キロ)に対し、設計図が提出された5キロの区間の建設認可を出したが、残る区間については認可されていない。認可しようにも、必要書類が未提出な上、提出された書類の多くはインドネシア語や英語ではなく中国語で記載されているという。この状況では、全く用地買収のめども立たない。独裁政権の中共と違い、民主主義国家のインドネシアでは、民間所有の用地買収など容易でない。3年後の2019年初旬に完工、同年5月に開業などという計画は不可能に近い。このようなずさんな計画を知ると、改めて中国政府の発表する経済指標など信頼しがたい。中国から外資が逃げだす状況下では、チャイナショクが真実味を帯びる。貿易収支の黒字にも関わらず、外貨準備が減っていく。残った外貨準備といっても、ドル建ての債券でいくら残っているのだろう。ベネズエラ国債やアフリカ諸国の債権では、額面通りのドルに換金できないから、紙屑と同然だ。国際通貨でない人民元と通貨スワップを行っている半島国家も同様だ。そう考えると、支那とは全く縁がないはずの愚生にも影響が出る。日本株で持っていれば、チャイナショクで暴落する可能性もある。しかし、マイナス金利の中、円高基調の為替も踏まえれば、投資先としてJ-REITを除けば、日本株くらいしか見当たらない。選択肢としては、限りなく支那と疎遠で、為替の影響を受けない日本株を捜すしかない。来週からの、東京市場に期待したい。
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