美味しい場所は当時の上司が吸い尽くした
料理レシピサイト運営のクックパッドの3月24日の株主総会後で、穐田社長が退任させられた。半年以上も経営方針を巡り、創業者の佐野陽光氏と対立していた。翌日のクックパッド株は一時、17%安の1770円まで急落した。そして、昨日は1,550円で引けた。一時、愚生も株を保有していたが、ごたごたが多く、将来性を見切って売却していた。その後も、従前と変わらずに争いが続いていたようだ。佐野氏が44%近くの議決権を保有する筆頭株主であるため、佐野氏の意向で議案が可決する。株を持たない役員連中は、株主総会直前の3月22日に、佐野氏を執行役から解任したが、再び執行役に就いた。そして、穐田社長体制側だった業務を担ってきたメンバーが、全て解任された。新任の社外取締役も佐野氏の意向を受けた人物となった。佐野氏の息のかかった取締役のみが委員を務める体制だ。新社長に就任した岩田氏はマッキンゼー出身で、今年2月にクックパッドに入社した。総会後、クックパッド社内では佐野氏の新体制に不安を訴える署名活動や労働組合の立ち上げが有志社員によって行われているという。マスメディアは、概して佐野氏に批判的な論調だ。しかし、愚生に言わせれば、数パーセントならわかるが、全株式の44%近く持っていることから、事実上佐野氏の会社だ。残りの株主は、佐野氏への賛同が嫌なら市場で株を売却すればいい。起業時は、役員だった人達が一丸となって頑張ってきたのだろう。しかし、成果が出て会社が大きくなると権力争いになってしまったようだ。愚生は、勤め人時代、人に好かれない性格だったため、課長職になって与えられた業務は、将来性のない領域だった。具体的に言えば、IBMのSNAネットワークのF社版だ。ネットワークがオープン化されLANが普及すれば、埋没してしまうレガシー分野だ。このシステムのメインテナンスでは、部下や妻子を養っていけないと思い、NetwareからTcp/ipへの流れの時期に、レガシーのcoax-FNAをTcp/ipに取り込んで、ビジネスを拡大させた。その見返りもあって、事業本部からは多少の処遇を受けたが、美味しい場所は当時の上司が吸い尽くした。しかし、愚生の部下だった人達も、愚生に対して同様の思いかもしれない。今回のクックパッドの騒動も、内情は同様だろう。資本主義社会に生きる以上、資本家は常に労働者より労働分配率が大きく得をする。そういえば、1年以上前にM市立図書館に予約していた「21世紀の資本」トマ・ピケティ/〔著〕の順番がやっと回って来た。
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