ARMは組み込み型CPUのため顔はない
今朝は、ソフトバンクが英国半導体設計のアーム・ホールディングスを買収というニュースが報じられていた。アーム買収総額は、約3.3兆円というから、過去最大の規模だと言う。ソフトバンクグループの手元資金は、約4.5兆円というから十分なようだ。ただし、2013年の米携帯事業者スプリントの買収で急拡大した負債規模はさらに増える。ソフトバンンクグループは2016年3月末時点で、自己資本の4.5倍に相当する12兆円弱の負債を抱える。愚生は、数年前にソフトバンクの株価が7000円~8000円ぐらいの際に取引をしたが、今は一株も持っていない。そのせいで、今朝のニュースも気楽に聞けた。風が吹けば、桶屋が儲かる的に考えれば、IOT(すべての物がインターネットに繋がる)の拡大⇒消費電力の少ない組み込み型CPUの拡大⇒スマホで圧倒的なシャアを持つARM社設計CPUの更なる普及となる。ただし、組み込み型のCPUのため顔はない。つまり、マイクロソフトのOSを使う時のようにINTELのCPUが必須というわけではない。組み込みシステムといえば、家電製品や産業機器、デジタル製品、その他身の回りのあらゆる製品に搭載されているコンピュータシステムだ。パソコンのような汎用システムとは違い、要求されている機能や性能が限定されている。そして、比較的安価なCPU、少ないメモリ、プログラムを内蔵したROM、という構成が特長だ。この分野は、これまで日本製のCPUの独壇場だった。しかし、国産メーカー製のマイコンでは、ベンダ提供の環境が必須だった。一方で、ARMの開発環境は、開発キットや評価ボードでは、デフォルトのOSとしてLinuxを採用している例が多く、Linux用のBSPも用意され、無償かつ迅速に実装したい場合には非常に便利だ。愚生は、黎明期からコンピュータ産業に従事していたため、アセンブラもプログラムミングしたし、RISK型CPU(命令の種類を減らすことで回路を単純にし、演算処理のパフォーマンスを上げる)、CISC型CPU(従来の設計手法に基づいたアーキテクチャ)でもハード設計した経験がある。今回買収したARMのアーキテクチャは、比較的小さなハードウェア規模=消費電力の削減を目指して開発されているため、命令セットはRISCでありながらもコード密度を重視したCISCに近い設計になっていて使いやすいと言う。ただ、組み込み型CPUという物は、実現手段を達成するためのハードであり、その物にアプリケーションなどが依存するわけではない。つまり、良くて安いCPUが出現すれば、過去のアプリケーションに縛られることはないので置き換わってしまう。常に、一番をキープしなければ、存在場所がない。スマホの拡大でARMのCPUが普及したことにより、日本企業が開発した組み込み型CPUは淘汰されている。乱暴な話だが、INTELのCPUを車のエンジンに例えれば、ARMのCPUは車のタイヤだ。客は、エンジンで車を選別しても、タイヤが良いから買うという人はいないだろう。こう考えると、ソフトバンクとのシナジー効果は薄いような気がする。愚生のような凡人は、明日の影さえ見えないため博打としか思えない。
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