素人の不動産投資は怖い。
日本の税制下では、地方税収の半分は固定資産からの徴収だ。金融資産は、配当や利息については分離課税だ。無配の株ならいくら金融資産として持っていても無収入とみなさる。そのため、金融資産を抱える資産家の納税はわずかだ。一方、土地や不動産を持っていれば、登記簿謄本に記載されているため隠し立てはできない。土地からの収益があろうがなかろうが、固定資産税を強制的に払わされる。田舎の買い手がつかない土地など持っていると、役に立たない資産であっても毎年税金を徴収される。知人から聞いた話しだが、最近は大手ハウスメーカーでも詐欺まがいの会社も多い。ネット広告に、土地の有効利用と称してアパート経営を勧める。提携ローンや家賃保証、自社のネームバリューを売り物にして空き地を抱えて固定資産税に悩む地主に言い寄る。200坪くらいの空き地に、三階建てのアパートを建設することを考えてみよう。半分強に駐車場を作るとすれば、建坪が270坪程度になる。鉄筋コンクリート住宅のRC造坪単価を75~80万円とした場合、約2億円程度の集合住宅になる。利回り10%を考えれば、年間2000万円の家賃収入が必用だ。65平方メートル程度とすれば、13個の住居となる。年間153万とすれば、毎月の家賃は13万円程度になる。東京都内ならその程度の価格でも需要は多そうだ。ただし、田舎に行けば中古の一戸建住宅でも、数万円で借りることも可能だ。そう考えると、修繕費や空室率も考慮すれば、利回り5%を長期に確保することは容易でない。愚生の知人で、バブル期に遺産相続が発生しそうになり、今試算した程度の集合住宅を30年ローンで建てた。相続税は、うまく逃れたが姫路地方の土地はその後に大暴落した。何年かたって集合住宅を、不動産鑑定してもらったところ、その値段は借入金相当額だったという。相殺してしまえば、資産価値はゼロになったと苦笑していた。その後も土地は下がり続けているから、借金が資産を上回っているだろう。落合(中日GM)のような高給取りでも、バブル期に取得した不動産の支払いで苦労したと言われている。よほど他に、収入があるならばともかく、素人の不動産投資は怖い。大儲けを狙わないなら国内REITが安全だ。しかし、土地しか持たない人は金融資産を持ち合わせていないため、この手の商品に投資することは無理だ。そうゆう理由もあって、少子高齢化の時世に、詐欺まがいのハウスメーカーに唆されて建てるのだろうか。
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