キリスト生誕は12月25日でないことは確か
クリスマスが終わると、もう正月だ。日本では、クリスマスというと信仰に関係なく便乗して祝う人が多い。そもそも、XmasとはX(ギリシャ語でXristosの頭文字)+mas(礼拝)の造語だ。Xristos(クリストス)とは「油を注がれた者」、つまり「救世主」を意味する。ところで、イエスの降誕が記されているのは、マタイとルカの福音書だ。最初に書かれたマルコの福音書には、イエスの降誕など記述されていない。マタイとルカの福音書によれば、イエスはユダヤの町ベツレヘムで処女マリアより生まれた。処女懐妊という記載は、イザヤ書7:14の 「あなたたちにしるしが与えられる。見よ、おとめ(ヘブライ語ではアルマー)が身ごもって、男の子を産み」 という箇所で、ギリシャ語訳で「乙女」を「処女」とした誤訳だという説が多い。マタイ福音書では、ヨセフとマリアがベツレヘムに居た経緯の詳細は記述されていない。一方、ルカ福音書の場合は、住民登録のためにマリアとともに先祖の町ベツレヘムへ赴き、そこでイエスが生まれたとある。新約聖書とは、旧約聖書の証であるため、「ベツレヘムは古代イスラエルの王ダビデの町であり、メシアはそこから生まれるという預言(ミカ書5:1)」から採用された箇所だろう。そして、マタイ福音書では、東方の三博士が星に導かれてイエスを礼拝しに来る。ルカ福音書は、ベツレヘムの宿が混んでいたために泊まれず、イエスを飼い葉桶に寝かせる。そのとき、天使が羊飼いに救い主の降誕を告げたため、彼らは幼子イエスを訪れる。「牛はその飼い主を、ロバは持ち主の飼葉桶を知っている。それなのに、イスラエルは知らない。わたしの民は悟らない。(イザヤ 1:3)」という箇所から、馬とは関係がない牛とロバが記されている。新約聖書とは、イエスの磔刑場面をはじめ、ほとんどが旧約聖書から転記されたものだ。愚生の覚えでは、ユダヤ教改革派のイエス一派(キリスト教徒は後の呼び名)が自分たちの権威付けをするために新約聖書が必要だったようだ。 そして、クリスマスの由来は諸説あるが、古代ローマで冬至の日に行われていたお祭りが、イエス・キリストの生誕祭と結びついたといわれる。実際のところは、よくわからない。ただ、イエス・キリストの誕生日が12月25日でないことだけは確かなようだ。
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