生まれ育った土地を離れる辛さ
昨日は、大学時代の別口の忘年会だった。自分が幹事ではないため、待つのも嫌だった。そこで、10分近く遅れ気味に行った。しかし、愚生以外は全て定刻に来たようで飲み会が始まっていた。勤め人を辞めたせいもあって、飲み会がめっきり減ってしまった。愚生の体には良いことだが、たまにアルコールを飲むと心身ともにこたえてしまう。弱くなったというか、正常になったのだろう。薬漬けにはなっているが、大病は患っていないため感謝しなければならない。年末年始と言うと、愚生のような田舎出身者にとっては、子供を連れで大移動の時期でもあった。今は、田舎の実家もなくなってしまったためその用もない。寂しい気もするが、介護施設に入っているという安心感の方が先に立つ。これまで、いくら帰省費用を使ったのかと計算してみると、田舎で新築一戸建が建つくらいの金額だ。東京生まれで、親の土地を受け継いだ人と比べずいぶん無駄な出費だ。ただ、田舎を持っているため方言や地方の文化にも親しい。そう考えると、田舎生まれも全てが悪いわけではない。約40年ぶりにあった学友は、理由があって、還暦を過ぎてから生まれ育った土地を離れて、東北地方に移り住んだ。愚生が慣れたかと聞くと、何度も泣いたという応えだった。若い時に見知らぬ土地に移り住むのと違い、還暦過ぎてからでは辛さが身に染みるようだ。若い時は、若さで順応したが、年老いてからでは身が持たない。そう思うと、長野の介護施設にいる母が、本人の希望とはいえ不憫に思える。
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