問題は、三菱電機の企業体質
厚生労働省神奈川労働局は、三菱電機と元上司一人を違法な長時間労で書類送検した。電通の高橋まつりさんの場合は、愚生が働いた業界と大きく違うためコメントはしなかった。しかし、今回の三菱電機は、全く同様な職場環境だったので何が問題なのかよくわかる。今回訴えた男性は、博士課程を出て、三菱電機に入社した。平成25年4月に入社後、先進的な研究の発表を促されていたのと同時に、製品のトラブル対応を求められ、26年1月から業務が膨大になった。翌月は2日しか休みがなく、食事がのどを通らなくなり、手が震えるようになった。残業時間は月160時間に上ったが、会社への申告は「59時間」しか認められなかった。この辺が、愚生が勤務したF社と大きく違う。博士課程を出た人材とはいえ、入社二年ではフレックス勤務は認められないから、残業がつくようだ。ただし、一般的な大手企業は、タイムカードで出勤・退勤を記録して、自動的に残業時間を計算する。つまり、自己申請などというサービス残業は発生しない。今回の場合も、拘束時間が160時間であれば、残業が160時間でなければならない。上司一人が書類送検と言うが、会社ぐるみの違法行為だ。直属の上司である課長や室長の問題ではない。配属先の情報技術総合研究所では、休職している人は多いというから、職場環境が発病の原因だ。三菱電機の直属の上司にしても、「お前の研究者生命を終わらせるのは簡単だ」「言われたことしかできないのか。じゃあ、おまえは俺が死ねと言ったら死ぬのか」などと言って、不眠を訴えても仕事は減らなかった。平成26年4月に鬱病になり、薬を飲みながら仕事をしていたが、同年6月には医師から勤務停止を求められた。これは明らかに三菱電機の企業体質問題だ。医師の所見が出ているのに、仕事を減らしたり職場を変えたりしないことは、課長というか、人事権のある組織長の問題だ。課長も問題だが、部長はもっと問題だろう。書類送検する人物が間違っている。博士課程を出ているからといって、入社二年目の新人を脅して仕事をさせようという上司は、管理職として失格だ。しっかりとした管理職試験もせずに、部下の管理を任せる企業の問題だ。愚生の経験でも、鬱病が多発する部署は、仕事内容や残業時間ではなく、上司の言動や職場の雰囲気だった。愚生は、F社で多くの批判を浴びた管理職の一人だったが、若い人には煽てて仕事をやらせるようにしていた。脅しても委縮するだけで、仕事の効率は上がらない。今回、男性は「高橋まつりさんと自分は紙一重だったと思う。」と言っているが、これは違うと思う。三菱電機に限らず、このような事例は生き馬の目を抜くような競争の激しい電機労連では、一般的なことだと思う。男性自身が、仕事に向いていなかった気もする。改善すべきは、三菱電機で行われている給料を減らすための、明らかに違法な残業時間の自己申告制だ。あとは、脅して働かせる馬鹿な上司だ。自分の不安を、部下を脅して煽るようなケツの穴の小さい人物を管理職に登用するからだ。愚生のことを持ち出して自慢するわけではないが、部長職くらいの職責になると、必ず部門に一人や二人の鬱病患者を抱える。直属の課長は、本人がやる気がないと言う。そして、人事部の管理部門からは、勤怠が悪いとクレームがつく。愚生は、可愛そうなのでフレックス勤務にして、彼のために好きな時に出社できるように変えてやった。人事部から、さんざん非難されたので、「部下が自殺した場合、人事・勤労部が責任を取ってくれるのか」「医者が所見を述べていることを守らないのは、労働基準法に違反する。」「人事・勤労部は漢字を知っているのか。勤労とは、労働に精を出すと書く。病気の者に、無理に仕事をさせれば、さらに悪くなる。」といって黙らした。そのせいか、愚生は事務管理部門からはすこぶる評判が悪かった気がする。勤め人など、所詮、労働と対価だ。会社は、従業員が病気になっても守ってくれない。組織の長となる上司がその役を担わなければ、部下はついてこない。こんなことは、当たり前だろうと言ってやりたい。
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