サラリーマン川柳の秀作には頭が下がる。
今年のサラリーマン川柳の中に「効率化提案するため、日々残業」という句があった。昨今の風潮として、電通や三菱電機での自殺や退職強要からか時短が奨励されている。川柳は、時の話題にのったものが多い。愚生の頃には、「久しぶりハローワークで同窓会」とか、「先を読め!言った先輩リストラに
」などという川柳が選ばれた。うまい句だと、つくづく感心したものだ。今回の電通事件などは、一般的な労働時間の短縮問題で片付くとは思えない。広告業界はよく知らないが、時間をかけたからといって成果が上がるものではない。広告業のコピーライターのイメージは、「クライアントからある商品の広告を依頼される。例えば依頼先の電通マンが、うーんと言いながら少し考えた後、おもむろに1枚の紙を取り出し、サラサラっとキャッチフレーズを書いてみせる。それをクライアントに渡して、はい、数十万円。」という世界だろう。才能かどうかは知らないが、職種にあった感性がなければ務まらない。サラリーマン川柳のように、うんーと皆をうならせる句は、時間をかけたからといってできるものではない。作詞や作曲と同じで閃きだろう。そう考えると、広告業界で時短を勧めたからといって作業効率は上がらない。自らが職種に不適合だったことを認識して転職すべきだった。いくら勉強が得意だったとしても、手先が器用でなければ外科医はできない。腹腔鏡手術で何人も殺めた医師は、手術が下手だったというから精神科医にでもなるべきだった。受験で求められた能力と実社会で必要な能力は大きく違う。やはり、好きこそものの上手なれというように、自分の職業は本人が好きでなければ務まらない。そう思いながら、愚生の生きざまを振り返れば、悲しいかな食うために自分をF社という劣悪な環境に合わせてきたような気がする。本質を突いたサラリーマン川柳の秀作には頭が下がる。
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