企業も生き物だから順風満帆などない
今朝の日経新聞は、日立製作所の「選択と集中」を進める組織改革について報道していた。日立と言えば、インフラ電機に舵を切り、うまくリストラ(構造改革)を進めた会社だと思っていた。今回の柱は、原子力や水、ビル、医療などの14部門を「エネルギー」「産業・流通」「都市」「金融・公共」の4つにくくり直すというものだ。日立の問題として、米GEや独シーメンスに比べ利益率が低いという課題をあげている。これは日立に限らず、日本企業全般の問題だ。愚生は、日本企業は終身雇用に拘り、大胆な人員削減を極力避けようとするからしょうがないと思っている。これを実現するには、同一作業・同一賃金を徹底しなければならない。企業より学校の教諭を例にとるとわかりやすい。要するに、25歳の先生も55歳の先生も、同一賃金にするということだ。長く務めたからといって、校長や教頭にならない限り昇給はないという厳しいものだ。これを実現するには、固定費の大きい製造部門を海外に移転するか、資本関係の薄い関連会社として切り離すしかない。愚生のように勤め人が長かった者には、「選択と集中」という構造改革の意味がよくわかる。すなわち、大幅なリストラによる人員削減と部門売却だ。将来性のない部門、利益率が低い部門、損益分岐点が高く付加価値が少ない部門などの切り離しだ。少子高齢化社会の日本では、国内需要は限られている。海外に打って出なければ、企業は衰退する。その視点で都市や産業インフラなど重点4分野に集約し、海外開拓を拡大するのだろう。総額1兆円を関連企業の買収に振り向けるという。キヤノンが東芝メディコを6000億円以上で買収したのと同様の理由だ。これから伸びる分野と言えば、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」サービスだ。事業部間の縦割りをフラットにして相乗効果を引き出さなければならない。例えば「都市」分野にはビル管理や鉄道だけでなく、家電や自動車部品も含めて統合的な管理を行い、最適化された街づくりを顧客提案するといった話だ。ただ、南アフリカの火力発電所建設で発生した損失負担を巡り、三菱重工業が日立への請求額を7000億に増やした件で、昨日の日立の株価は8%以上も下がった。インフラ部門を抱える日立や東芝の減損処理や賠償を見れば、発電所などは粗利益も大きいのだろうが、損失額の大きさが目を引く。どの企業も生き物だから順風満帆などはない。株式投資には、リスクが常につきまとう。
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