技術革新の進歩や陳腐化が非常に激しい
米国株式市場では、IBMが株価を下げている。通常取引を前日比0.6%安で終えた後、時間外では終値を4%近く下げて推移した。通常取引後に発表した2017年1/4半期決算で、売上高が市場予想よりも落ち込んだのが原因だ。2020年4/4半期に続けての減収となり市場予想を下回った。ハード機器やシステム構築、コンサルティングなど既存事業の落ち込みが続いたのが原因だという。IBMの収益率の高いコグニティブ部門を含め全体の利益率が悪化した。しかし、IBMの売上高総利益率は42.8%というから、日本企業をよく知る愚生から見れば羨ましい限りだ。愚生がF社に入社したころは、IBMと7人の小人と言われる時代だ。F社など小人にも数えられていなかった。當に、象(IBM)に挑む蟻のような戦いだった。IBMとは、International Business Machinesの略称だ。トーマス・ワトソンが、会社の抱く大志と明るい未来を明確に示すような、不朽のブランドとして名付けた。愚生が業界で働き始めた頃から40年近くが経った。コンピューティングの世界は変わった。MVS、MS/DOS、Windows、iOS、AndroidとOSの主役は変遷した。その間IBMは、コンサルティングを含むサービス、ソフトウェアなどを主力とするビジネスソリューションに重心を移した。そして、ユーザー企業の業務分析、提案から構築、保守までのワンストップ型のサービスの提供を目指している。業界の将来性を予見して、事業の選択と売却を繰り返した。過去の事業売却で目立ったものに、ハードディスクドライブ事業(2003年に日立製作所に売却)、PC事業(2005年にレノボに売却)、IAサーバー事業(2014年にレノボに売却)、半導体製造事業(2014年にAMDから分社化された半導体製造部門グローバルファウンドリーズに譲渡)などがある。日立は、IBMからハードディスクドライブ事業を買収したが、その後、赤字に苦しみ二束三文で売却した。IBMは、PC事業などを2005年に見切りをつけて売却した。一方、F社は未だにPCに取り組んでいるから呆れる。F社の経営者には、技術だけでなく経営や事業分野の取り組み方針もそっくり真似をしろ。拙い頭で、自ら考える事などするなと言いたい。IBMは、先見性というか、経営者の卓越した見通しに基づいて成長してきた。そういう、IBMであっても既存事業は、今回二四半期連続での減収だ。IBMにあって、新規分野のクラウド事業の売り上げは35億ドルと33%も増えている。それは、ネットワークを社会インフラとして構築された世界が「秒進分歩」の早さで進んでいるからだ。技術革新の進歩や陳腐化が、非常に激しい世界だと痛感させられる。
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