逮捕劇は朴槿恵の自業自得
韓国の朴槿恵前大統領が、とうとう収賄容疑などで検察当局に逮捕された。3月下旬の世論調査では、7割以上が朴槿恵の逮捕に賛成していた。民意を忖度し司法制度がなりたっていない国だから、逮捕は予想通りだ。過去にも、大統領経験者で全斗煥、盧泰愚が逮捕されている。朴槿恵逮捕容疑は、最大財閥サムスングループなどの企業が文化、スポーツの財団に行った資金供与への関与だ。事実、朴容疑者の友人、崔順実が財団を私物化し、利権を得ていた。国会で弾劾され、憲法裁判所でも罷免されていたのだから、いくら本人が容疑を全面否認したところで、黒のレッテルは決まっていた。当然、民衆に阿る検察は、証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕状を請求し、裁判所が発付した。韓国の伝統ともいえる縁故主義、両班文化なのだろうか。権力者やその家族が、カネ絡みの醜聞にいつも巻き込まれる。日本に朝鮮が併合されるまで、李氏朝鮮には両班という貴族階級があった。彼らは、いたるところで、まるで支配者か暴君のごとく振る舞っていた。働きもせずに、金がなくなると、使者を使って商人や農民を捕えさせる。その者が手際よく金をだせば釈放されるが、出さない場合は、両班の家に連行されて投獄する。そして、食物もあたえられず、両班が要求する額を支払うまで鞭打たれる。両班たちは、搾取したものを返済することなどしない。農民から田畑や家を買う時にも、ほとんどの場合、支払無しで済ませてしまう。そして、首尾よくなんらかの官職に就くと、親戚縁者やもっと遠縁の者まで扶養する文化だ。朴槿恵が官職(大統領)を得て、周りにいた友人や縁者たちが私服を肥やした。これは文化であって、朴槿恵自身が自らのためにやったことではない。だから、本人は悪い事だと思っていないから身の潔白を主張する。しかし、大統領には人事や予算の強大な権力が集中する。それを利用して、私利を得ることは犯罪だ。間接的には、朴槿恵自身も、彼女の取り巻きが受益した金品を受け取っている。日本から独立後、朝鮮という古代文化に戻ったのだから、当然発生すべき政治風土だ。愚生は、今回の朴槿恵の逮捕に同情しない。なぜならば、彼女自身は、慰安婦問題を含め、あらん限りの日本批判を繰り返した。さらに、産経新聞の加藤達也・ソウル支局長に関しても、セウォル号沈没事故の当日に、元補佐官のチョン・ユンフェと密会した可能性があるという朝鮮日報の報道を流したことを理由に逮捕した。まるで、古の両班と同じだ。権力を持つと、司法など捻じ曲げてしまう。今回の逮捕劇は、朴槿恵の自業自得だ。同情の余地などない。なぜなら、これが本来の朝鮮文化だからだ。
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