深刻なデフレは終わっていない
老後に、緊張感がなくなるとボケが進むという。愚生の友人の一人は、今も現役時代とは全く違うブルーカラー職で働いている。ボケ防止と言っても、何か特別な理由でもあるのだろうか。そうでもなければ、シルバーライフを楽しむ時間もなく棺桶に足を突っ込むことになる。今朝のモーサテでは、メガバンクがマイナス金利の導入で、利ザヤが確保できずに苦しんでいる。それを解消するために、国債運用から住宅ローン、アパートローン、カードローンへと注力している。つまり、多少のリスクを取っても、貸出先を増やす方向にシフトしている。ただし、アパートローンなどに融資する場合に、周囲の家賃相場、地域の空室率、将来の人口動向など、十分な調査はしないという。この先、貸出先が破たんすれば、アパートローンがバブル崩壊の発端となるだろう。政府も貸し出しを注視するというが、アパート建設は経済効果が大きい。建設その物以外にも、エアコンや住宅の備品など多岐にわたる。デフレ脱却を強く言うなら、政府もあまり厳しい統制はできない。メガバンクでもそういう状況だから、地銀などはさらに深刻だ。お金を安く貸してくれると言っても、投資先がなければ借り手はいない。J-REITの投資報告書などを見れば、投資ファンドへの貸出金利は軒並み0.1%を下回っている。個人が建てるアパート建設であっても、金利1%は普通だ。また、愚生がM駅まで行く道には、中古住宅が売り出されている。しかし、いつまでたっても販売中の「のぼり旗」は下りない。詳しくは知らないが、どうも買い手が付かずに成約していないようだ。やはり、深刻なデフレは終わっていない。浜矩子女史は、「アホノミックス」と安倍首相のアベノミクスを厳しく揶揄するが、彼女からも、明確な解決策は出ていない。どうも、均一だと言われる日本社会も、他国同様に富裕層と貧困層の二極化が進んでいる。そう思いながら、日経オンデマンドを思い出せば、つい先ごろまで小野薬品工業を推奨していた株式評論家は、自分はその株は勧めていないという。今頃、長々と勧めない理由はいらない。愚生は、断腸の思いで損切りしてしまった後だ。なぜ彼が投資家にならずに、今も評論家を続けて、二極化のされた側にいるのかが分かる気がした。
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