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2017年6月19日 (月)

安物買いの銭失いの住民

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今朝の産経新聞に、隣接地に新しいマンションが建設されると、敷地の「二重使用」となり、もともとあったマンションの方が違法建築になるという記事が載っていた。そんな馬鹿な話があるのかと読み進むと、最高裁でも結審していて避けられないようだ。住民は、新築マンションの建築確認取り消しを東京都建築審査会に求めているが、申請が通ってから業者が建築を始めているから、取り消しなど無理な話だ。問題となっているマンションは、昭和56年に建てられたJR山手線の品川-田町間に建設予定の新駅近くというから好立地物件だ。原因は販売した業者が、このマンションの建物が建っている土地約1580平方メートルと隣接する土地約1970平方メートルを敷地として建築確認を申請し認められた。そして、建設後に隣接地を売却したことから問題が起きたようだ。他人事だから気楽に発言させてもらう。問題は、資産として付近の相場より大きく減額するだけでなく、マンションの土地価格-取り壊し料=査定資産となることだ。ただ、昭和56年建設だから築36年も経過している。自宅として購入する人はいないだろうから、取り壊すまでの賃貸用の投資マンションだ。ただし、市場では買いたたかれるから、持ち主の思惑価格では絶対に売れない。不動産売買契約の重要事項に記載があったはずだから、新築で入居した人以外は知っていて購入したはずだ。マンション管理組合は「これまでも隣接地も含めた敷地全体を使った共同建て替えを不動産業者に打診してきたが、実現しなかった。」というが、虫が良すぎる話だ。問題の解決には、隣接地を買うか借りるかすれば済んだはずだ。平成26年に最高裁で敗訴が確定したというから、少なくても15年近く前から裁判沙汰だったと推測できる。自分のマンションが違法建築物件なのに買ってしまった住民は自業自得だ。違法建築に後から指定された例は珍しいが、法律が変わって容積率不足で同じ大きさのマンションが再建築できない物件はよくある。実際、愚生が30年くらい前に住んでいたマンションもそうだった。買ってから判ったので、古くなると売りにくいと思い築17で戸建てに住み替えた。話は戻るが、仮に敷地の「二重使用」のマンションが強制的に建物の撤去ができる「除却命令物件」に指定されても、住民側の一方的な瑕疵とまでは言えないから、行政が強制的に壊すことはないだろう。元々、敷地が足らないところを、隣接地を借地契約で建設したのだから分譲価格も安かったはずだ。住民が安く売りたくなければ、死ぬまでそこの住むしかない。安物買いの銭失いの住民も問題だと思う。安いからと言って、曰くつきの物件を買うことは考えものだ。

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