ビールの安売り禁止は、負のデフレスパイラル
ビール各社がノンアルコールビールを増産する。安売り規制でビール販売が落ち込む分を補う狙いもあるという。先ごろ実施された国税庁による酒の安売り規制強化の影響が出はじめた。同じものを10%も値上げすれば、ビールや発泡酒を買う客が減ったのも当たり前だ。そもそも、法律で安売り規制をするなどふざけた話だ。そんな道理に合わぬことが、選択肢の多い自由主義経済でまかり通るはずはない。日本経済新聞社が日経POS(販売時点情報管理)で5月第4週と6月第2週を比較したところ、販売数量は約2割減少していた。駆け込みの買い貯めもあっただろうから、もう少し長い目で見なければ実需は見えない。ただ、ビールの売上が伸びることだけはない。なぜなら、飲む人の賃金が上がっていないからだ。ビールを飲みたくとも、ない袖は振れない。業界がもくろむ、ビールからノンアルコールビールへの移行よりも、他のアルコール飲料に移ってしまう可能性だってある。販管費が浮いたからと言って、売り上げが大きく落ちるのでは、損益分岐点が跳ね上がる。人件費を含む固定費など、容易には下がらない。競争が激しく利益率の薄い製造業では、売り上げが落ちることはビジネスにとって致命的だ。愚生も、暇を見てショップのビール価格を散見したが、イオンが値上げ前と同じ価格で販売しているのを除けば、ほとんど同一価格だ。これでは、固定費を低く抑えて安値を武器に販売している中小スーパーのビール販売は全滅だ。景気をよくするどころか、「買わない⇒生産が落ちる⇒賃金の低下」と当に負のデフレスパイラルだ。政治家や役人は、いったい何をやっているのだろうか。中小の酒屋保護といって、適者生存とうい自由主義経済の鉄則を曲げれば経済にとって逆効果だ。
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