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2017年7月 6日 (木)

J-REIT指数の下落から寸考

Pb15 東証のREIT指数の下げが今年になってから止まらない。理由を探ってみると、個人の代表的な資産運用商品である投資信託がパッタリと売れなくなったのが原因だ。2016年度は14年ぶりに、投資信託の解約と償還額が購入額を上回る資金流出を記録した。主因は圧倒的な人気を誇った「毎月分配型」の販売抑制だ。毎月分配型の投資信託は、収益の一部を毎月分配するタイプで、年金の補完として少しずつでも毎月お金が振り込まれるという「安心感」がある。これがウケ、日本では大ヒット商品となっている。しかし、運用先から得られる本当の収益は、最低でも四半期に一度、長いものでは1年に一度の頻度しかない。つまり利益を分配しているように見えて、実は分配金の一部は運用益ではなく自分たちが購入したお金も含まれる。つまり、自分が振り込んだお金がただ返ってきているだけだ。購入時には、金融機関が販売手数料といって3%ほどピンハネする。さらに毎月管理料1%程度を徴収して、残りを分配するという仕組みだ。これを繰り返せば、投資信託の基準価格はどんどん下がり続けていく。しかも分配してしまった資金は再投資できないから、毎月分配型の商品は、投資家にとってお金を増やす商品ではない。このようなタイプの商品は、日本では好評だが資産運用には不向きだ。金融庁は、長期で資産を形成する投資信託を増やしたい。そして、運用益の一部を投資家に月々支払う毎月分配型の投資信託は、顧客本位の商品ではないと断じている。金融庁は、資産形成ができる商品を販売しろとの通達を出した。人気商品がなくなったせいもあって、投資信託が売れなくなり解約が相次ぐようになってきた。そのため、金融庁と売れる商品を提案できない金融機関の間で、行き場を失った個人マネーがさまよっている。実際に、ある証券会社の営業幹部は、昨年から毎月分配型の販売を控えていると打ち明ける。毎月分配型が最大の売れ筋商品だった証に、2010年度では新規設定ファンドの購入額の37%を占めていた。今回の自粛要請を受けて、毎月分配型の占める割合は、2016年度には2%まで失速した。そして、行き場のない資金が証券会社や銀行の口座で眠っている。悪質な営業マンが金融資産を持つ老人を食い物にしていることを防ぐには役立ったかもしれない。一般に、プロが提供する投資信託といっても、中身を分解すれば国債、外債、J-REIT、米REIT、国内株式、海外株式の組合せだ。今の低金利時代、債券投資ではほとんど利回りが確保できない。多少のリスクはあるが、これまで配当が厚く為替に影響されないJ-REITに金が向かってきた。投資信託の販売が急激に落ち込んだ結果、東証J-REIT相場が崩れはじめた。個人の人気を集めてきた毎月分配型投信は、大量のJ-REITを保有していたからだ。銀行や証券会社が販売を自粛した結果、個人マネーの流入が滞り、巡り巡ってJ-REITの需給悪化につながった。東証REIT指数の下落が止まらない大きな理由とされている。東証に上場するREIT、全58銘柄の時価総額は合計約11兆円だ。実にこの約4分の1に相当する約2.5兆円を毎月分配型投信が保有している。販売自粛が引き金となって、J-REITに投資する毎月分配型投信からは資金が流出し始めた。4月は1年1カ月ぶりの資金流出(232億円)となった。5月に入っても先週末19日までに推計で118億円流出した。例えば、個別銘柄で投資信託による保有比率が比較的高いとみられる日本ビルファンド投資法人やジャパンリアルエステイト投資法人は昨年末比で8%前後も下落した。これは市場平均よりも、大きい下落だ。おまけに、一部のヘッジファンドは、毎月分配型投信の動向を予測し、先回りしてJ-REITを空売りをしているから下げに尾ひれが付く。ただ、J-REIT相場が全般を押し下げるなか、予想分配金利回りと長期金利の格差は3.8%まで拡大した。要するにREITの利回りが上昇し、平均で4%台もうかがう水準となった。投資指標面では明らかに割安だ。それでも買いが優勢になる気配が感じられないのは、よほど毎月分配型投信による売りが強いのだろう。しかし、長い目でみれば相場はいずれは反転するだろう。愚生は、一旦J-REITを全て売り切ったが、大きく下げた場面では、AA格付けであれば購入しようと思う。実際、利回りが6~7%の格付けが低いREITなどは、基準価格の上昇が止まらない。都心の路線価格の上昇や東京圏以外の人口減少が報道されている。東京の地価上昇と言っても、銀座や六本木などの都心3区だけだ。東京都内の土地価格が、どこでも上昇しているわけではない。そう考えれば、都心に特化したJ-REITも選択肢としてあるだろう。しかし、もっと長い目で見れば、今は買い上げられた米国FANG株も将来の成長率を考慮すれば長期投資として優れた選択肢だ。合わせて、長期安全資産として保有したいと思う。いずれにせよ、今一番やってはいけないことは、人口減少地区でのアパート建設や銀行が3%も手数料をふんだくる中身が見えない投資信託の購入だろう。

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